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2019年09月19日 12時21分 JST

8月の韓国からの旅行者が半減、輸出額も1割減 観光関係者「資金繰り不安」など相談も

韓国の旅行客数は半減、輸出額も1割減。日韓関係の泥沼化が続いている。

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安倍晋三首相と文在寅大統領

8月に日本を訪れた韓国の旅行客数が半減した。

日本政府観光局(JNTO)によると、8月に日本を訪れた韓国からの旅行客は30万8700人で前年同月と比べて48%のマイナスとなった。7月も前年比7.6%減となっており、緊張が続く日韓関係が夏の観光シーズンのインバウンドを直撃したかたちだ。

韓国からの旅行客の減少で、8月の訪日外国人全体も252万100人となり、2018年より2.2%減った。訪日数全体にしめる韓国の割合は、2018年で約23%だったが、2019年は12%に落ち込んだ。

韓国からの旅行客の急減について、JNTOは「最近の日韓情勢や、韓中関係の改善による中国への渡航需要の回復、旅行先としてベトナムが人気になるなど海外渡航先が多様化していること、韓国経済の低迷もある」と分析している。

大韓航空は9月16日以降、日韓を結ぶ11路線で大幅な減便と運休を行なっているため、韓国からの訪日客の落ち込みはしばらく続きそうだ。

JNTO
海外からの訪日数全体に占める韓国の割合

韓国向けの輸出額も減少している。

財務省の貿易統計(8月速報値)によると、韓国への輸出総額は4226億円で、前年同月比9.4%減。中でも食料品は40.6%の大幅減となった。

韓国国内で広がる日本製品の不買運動や、日本産の一部の農産物や加工食品に放射性物質の検査を強化する動きなどが影響しているとみられる。

輸出額全体も前年比8.2%減で、9カ月連続で前年よりも落ち込んでいる。

日本政府は7月、韓国に対する輸出管理強化策を発表した。対象となったのは半導体の材料となる3品目だが、日韓の貿易全体に影響が及んでいることが改めて浮き彫りになった。

日本の輸出管理強化に対し、韓国側は日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄することを決定し、対抗。日本が輸出管理を緩和すればGSOMIA破棄についても再考する考えを示しているが、日本政府はこれを拒否している。

9月11日には日本の輸出管理策について韓国が世界貿易機構(WTO)に提訴するなど、事態は泥沼化が続いている。

 

関係者「できることをやるしかない」

韓国からの観光客の急減を受け、北海道では北洋銀行が17日に観光関連施設を対象にした緊急融資の相談窓口を開設した。「韓国からの観光客が半減し、資金繰りが不安だ」といった相談が寄せられているという。

北海道観光局では、宿泊事業者に聞き取り調査を行ったうえで、9月〜11月まで中国、台湾、香港の大手観光サイトで誘致キャンペーンを行って韓国の穴を埋めたい考えだ。

担当者は「できることをやって、影響を最小限に抑えていく」と話すが、北洋銀行の広報担当者は「韓国からの観光客は相当なシェアがあり、現実的に考えればすぐにカバーできるとは考えにくい」と慎重だ。

「それでも何もしないよりはマシ。いつ回復するのか先が見えないことが不安要素だが、我々は資金関係を、行政は誘致を頑張る。官民でできることをやっていくしかない」と話している。