寝られなかった翌日の仕事を乗り切る方法

日本人の平均睡眠時間は442分と世界的にも低い。
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もし仕事中に昼寝が許されたなら、誰だってそうするだろう。OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、日本人の1日の平均睡眠時間は442分と世界的にも低い。疲れ切ったままの状態で目覚め、1日の仕事を乗り切ることは無理難題であることは言うまでもなく、改めてこの問題と向き合っていく必要がありそうだ。

まとまった睡眠が取れない状態が続くと、鬱や心臓病、脳卒中や高血圧を引き起こす原因にもなり、日常においても疲労や集中力の低下、短気の原因になる。

普段から不眠の悩みを抱えているならば、何か潜在する病気の影響の可能性もあるため、病院に行くべきだが、たまに良く寝られなかったという場合には、日常は御構い無しで進んでいってしまう。

コーヒーを爆飲みしない

眠気を耐えしのぐ為に、つい1日中カフェイン飲料に手を伸ばしてしまうが、実は疲労の解決には繋がらない。朝のコーヒーが一時的に効いていたとしても、あまり好ましくないようだ。

NHS(イギリスの国民保険サービス)によれば、睡眠が十分に取れていないと、水分不足になりやすく、それが原因で疲労や集中力の低下が起こるそうだ。カフェイン飲料には利尿作用があり、水分不足に拍車を掛けてしまうという。

研究では、スポーツ飲料やエナジードリンクにも一時的な効果はあるが、その後、更に酷い睡魔がやってくるという結果も出ている。平凡ではあるが、睡眠不足には水が有効なようだ。

活力を与えてくれるものを食べる

体に活力を与えてくれる食べ物を食べて1日をスタートさせた方が、家を出る直前まで寝て、朝食も摂らずに仕事へ出かけてしまうよりも良い。

栄養士のシャーロッテ・スターリング-リード氏は以前、「食べ物はエネルギーになります。毎食をしっかりと健康な食事を摂るだけでも効果はあります」とハフポストUK版に語ってくれた。「おかゆや全粒穀物、ナッツや種は、エネルギーをくれます」とのことだ。

更に彼女は、軽食や昼食について「フルーツと野菜を沢山摂って、水分とビタミン、ミネラルをしっかり補給してください」と続けた。

体を動かし続ける

「『ただでさえ疲れてる時に運動なんて』と思うかもしれませんが、職場まで歩いて行ったり、朝にジョギングに行くことで、睡眠不足による疲労を和らげることが出来ます」そう語るのは、西イングランド大学で准教授を務め、the British Sleep Societyの創設者の1人でもあるクリス・アルフォード医師。朝のエクササイズが億劫なのであれば、少なくとも昼休みには外出した方が良いそうだ。

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「軽い運動と光を浴びる事で、『睡眠モード』を脱し、自分の体温を上げるんです」と彼はハフポストUK版に語ってくれた。「明るい自然光を浴びれば、脳の睡眠促進システムを停止させ、集中力が増します」

誰かと話す

よく寝られなかった晩の次の日、隅に座って仕事をしていると眠気が加速するので、誰かと交流してみるのも良いそうだ。「疲れてくると、ぼーっとしてしまいますよね。オフィス内の人と話たり、友達と言葉を交わせば目が覚めて、思考能力を刺激するのにも効果がありますよ」とアルフォード医師は語る。

しかし、疲れている時は苛立ちやすい状態なので、高度な話や議論は避けた方が良いそうだ。「脳の行動管理センターは睡眠不足によって最初に影響を受ける機能の1つ。その結果は想像がつくでしょう...」

やるべきことを小分けし、自分を褒める

1日を見事にやり切るのはどうもしんどいという場合には、焦らず自分のペースで行い、褒美に焦点を与えた方が良いとアルフォード医師は言う。

「大きなタスクを、自分でやり切れそうなサイズに分解してください。とても疲れている時に一気にやりきろうとするのはやめるんです。そして別のタスクと交互にやれば、仕事は多少楽しくなりますよ」とのことだ。「小さなタスクを片して、終わる度に自分で自分を褒めてあげるんです」

そして最終目標を掲げようー「夜の暖かいお風呂、テレビの前で丸まりながら暖かい飲み物を飲む...そういったことが乗り切る支えとなるでしょう」

ハフポストUK版を翻訳、編集、加筆しました。