家族だんらんの場で避けたい8つの質問

相手に誤解を与えず、有意義な質問に置き換える方法とは?
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家族や親戚が集まるアメリカのクリスマス。日本ではどちらかというと、正月休みに家族や親戚と過ごす人が多いだろう。

そのような場では、親戚はあなたの私生活について尋ね、しばし詮索をしてくることもあるのでは?一部の専門家は、その様な場では控えた方が良い質問もあると指摘する。

ロサンゼルスの心理療法士、デイビット・ストラ氏は「親戚は、良かれと思って私たちの将来や健康を心配し質問してきます。過去のことから現在、特に将来のことを」と、家族団らんの場での詮索について話す。

全く問題ないように見えて、実は人を傷つけている質問もある。以下は、家族団らんの場でよく挙がる、無意識に相手を嫌な気分にさせているかもしれない質問の数々。そして、それらを有意義な質問に置き換える方法を紹介する。

「なんで付き合ってる人がいないの?」「あの人とどうなったの?」

アトランタで結婚と家族を専門に活動しているセラピストのサマンサ・ヒューワゲン氏は、「人は相手の幸せな姿を見ることに喜びを感じます。この社会では、恋人を見つけることに人々は価値を見出し努力します。そのため他人の恋愛事情を聞くのは構わないと思ってしまうのです」と話す。

しかし実際は、恋愛関係が健全ではなかったり、深刻な事情から上手くいかなかったりする場合もある。そのため、恋愛事情に関する質問に悪気がなかったとしても、人によってはトラウマや辛いことを思い出させてしまう可能性がある。少なくとも、「恋愛が幸せになるための唯一の方法」というイメージを強めてしまうだろう。(実際は違う)

代わりに、「恋愛という生活の1つの側面にのみに注目するのではなく、最近相手がどんな風に過ごしていたのか、将来のプランなどについての質問を代わりにする方が良いでしょう」とヒューワゲンは勧める。

「いつ結婚するの?」

テネシー州の臨床心理士、ジンジャー・ポーグ氏は「この質問を家族団らんの場ですることは、気まずく、不快な気分になります」と話す。

「一般的にこの質問をする相手はあなたと会話をしようとしています。あなたの人生がどんなものか、相手と『ゴールインの日』を決めているのかが知りたいのです。けれど、この質問をされた相手は不快な思いをすることになります。付き合っている相手と良い関係が築けていない時や、結婚について話し合っていない場合は特にです」

「これは繊細な話題であり、多くの人は自分の恋愛について話したがらない事が多いので、質問は慎重にしましょう」とポーグ氏は言います。もし、相手に付き合っている人がいるのにその日は来ていなければ、この質問の代わりに、「今日、あなたのパートナーは来てないけど、元気にしてる?」と尋ねよう。

またあなたがこの質問をされた場合、躊躇せずに話題を変えてもらうか、丁寧に「この話はしたくないので他の話にしよう」と伝えるべきだとポーグは付け足す。

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「太った?痩せた?」

体重の増減を褒められたり、指摘することは、多くの人に無意識のうちに長期的な影響をもたらす。

摂食障害の治療を専門とする施設「The Renfrew Center of Nashville」の所長であるチェルシー・ウッダード氏は、体重減少に対しての賞賛により「自分の価値は外見で決まり、太っていると他人に悪い印象を与える」と言う間違ったメッセージを送りかねないと言う。

代わりに「幸せそうだね」と伝え、「何か良いことでもあったの?」と尋ねることを勧めている。

誰かが体重に関する話題をあなたに振ってきたら、きっぱりと自分の意見を言おう。穏便に済ませたいのであれば、話題を変えよう。

「自分の価値を数字で測らない」と相手に伝えるためには、「あまり体重を気にしないから、増えたか減ったかはわからないけど、元気です。あなたはどう?」と返すのも有効な手段だとウッダード氏は話す。

「子どもを作る予定は?」

オンタリオ州の臨床心理士でありカップルセラピストのトレイシー・ダルグレイッシュ氏は、この質問は、相手に社会規範や社会に蔓延する期待を押し付け、相手の子供を持つことへの意思や健康状態を軽んじる可能性があると話す。

実際は、子供を欲しいと思わない人もいるし、不妊症に苦しんでいる人、子供を育てるお金がない人もいる。「子供はいつできるの?」と尋ねる事は容易であっても、実際は簡単な問題ではない。

また、すでに子供がいるカップルであっても、「2人目はいつ?」と訊く事も同じ理由からするべきではない、とダルグレイッシュ氏は話す。「子供を何人作るか決めているカップルもいれば、不妊で次の子ができない人もいます」

「本当にそれで良いの?」

ワシントンDCのセラピストであり、健康関連の事業をしているキンバリー・ウィルソン氏によれば「仕事を辞める」「卵子凍結」「結婚式の取りやめ」などの「人生を変える決断」に対して心配をあらわにすることは、相手を尊重していないように受け取られる可能性があると指摘する。

「本当にそれで良いの?」と聞く代わりに、「よく考えた上での決断だろうけど、健康保険や副作用、住宅ローンとかはどうするの?」と聞くことを勧める。

また、自分の決断に対して誰かの心配を「ありがた迷惑」と感じるのであれば、「心配してくれてありがとう。でも、自分でよく考えた上での決断だから」と返そう。

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政治的な意見を聞く

政治の話題は意見が割れ、親しい関係の相手とぶつかる原因になる。「自分が正しいと思った意見でも、誤解を招き相手を傷つける可能性を生みます」と臨床心理学者であるクレイグ・ダイク氏は話す。

このような話題には、適した場所と時間があります。家族の団らんの場でこの議題に触れることは、その場の雰囲気を壊す原因になります。それでも政治の質問をしたいのであれば、言い合いをしたいのではなく、相手の意見を純粋に聞きたいという事をきちんと示しましょう。また、誰かに政治的な意見を強要されている様に感じた場合は、会話を止めたり、あまり深入りしないようにするなどの戦略を取ろう。

「本当におかわりするの?」

この質問に対する答えは簡単。「もちろんでしょう。そうでなかったらそもそもおかわりに手を出していないはず」とビバリーヒルズの家族・カップルセラピストのフラン・ウォルフィッシュ氏は話す。

一見好意的な質問でさえ、相手を不快な気持ちにさせることがある。お祝いの席での食事は、美味しく食べるべきで、罪悪感にかられながら食べる物ではない。ウォルフィッシュ氏は、「恥をかくことや批判的なコメントは人の精神状態に悪い影響を及ぼします。たまの家族での集まりでデザートをおかわりしたくらいで、運命を左右するわけではありません」と注意喚起しています。

「どうして〇〇、食べないの?」

「個人の食生活は尊重されるべきです。とりわけ、相手がどの様な事情で特定の食生活を送っているのか知らない場合は、むやみに詮索するべきではありません」とウィルソン氏は話す。「アレルギーや健康上の理由から特定の物を食べられない人たちや、糖分摂取を抑えなくてならない人たちもいるからです」

もし、相手の食生活に関心があれば違う聞き方をしてみよう。例えば、「お肉/糖質/パンを食べなくなったきっかけは何ですか?現在の食生活に変えてから、どんな変化を感じていますか?」など。

また、誰かに食生活に対して訊かれた場合は、「自分の体に合っているの」と手短かに答えてみてはどうだろうか。もし詳しく話したければ、家族や親戚に対してその食生活の変化がどの様な影響をもたらすか教えてあげても良いが、話したくないならもちろんその必要はない、とウィルソン氏は語った。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。