【アカデミー賞2020】『パラサイト』ポン・ジュノ監督が受賞スピーチで「あなたから学んだ」 。尊敬の念を込めた相手は?

『パラサイト 半地下の家族』で4つのオスカーに輝いたポン・ジュノ監督のスピーチ。会場はスタンディングオベーションに包まれました。
監督賞の受賞スピーチでマーティン・スコセッシ監督に手を差し伸べたポン・ジュノ監督
監督賞の受賞スピーチでマーティン・スコセッシ監督に手を差し伸べたポン・ジュノ監督
MARK RALSTON via Getty Images

2月10日(日本時間)に行われた第92回アカデミー賞で、『パラサイト 半地下の家族』が4冠の快挙を達成した。ポン・ジュノ監督は、脚本賞、国際長編映画賞、監督賞、作品賞と4つのオスカーを獲得した。

この日最多の4回のスピーチをすることになったポン・ジュノ監督。想定外だっという監督賞の受賞スピーチでは、思わぬ本音も漏れ、スタンディングオベーションも。

プレゼンターのスパイク・リー監督からオスカーを手渡されたポン・ジュノ監督は、戸惑い驚いた様子で額に手を当て、困ったように笑いながら「さっき国際長編映画賞を受賞した時に、今日の仕事は終わったなとリラックスしていたんです」とスピーチを始めた。

「本当にありがとうございます。私が映画の勉強をしていた時に、本で読んだ言葉で、今も大切にしている言葉があります。『最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ』という言葉です。これは、マーティン・スコセッシの言葉でした。私は、彼の映画を見て勉強したんです。一緒に監督賞にノミネートされただけで嬉しい」

同じく監督賞にノミネートされていた『アイリッシュマン』のマーティン・スコセッシ監督の言葉に支えられたと告白したポン・ジュノ監督に、スコセッシ監督は涙ぐんだような表情を浮かべ、笑顔でアジアの後輩に拍手を送った。

このやりとりに、会場はスタンディングオベーションとなった。

ポン・ジュノ監督はさらに、一緒にノミネートされていた監督たちを讃え、「アカデミーが許してくれるなら、このオスカーを5つに分けたい」と語って会場の笑いを誘った。

最後は「明日の朝まで飲み続けます」とスピーチを締めくくり、「今夜はもう飲もうと思います」とした国際長編映画賞の受賞スピーチをアップデートした。

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