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在宅勤務推奨期間、はじめて自分もやってみた #リモートオフィス

在宅勤務をする前は「自分に在宅勤務は向いていないだろう」という思い込みがあったが、やってみて「うまく工夫したらやれそう」という実感があったのは大きな発見だった。
Noriko Nakaneさんの勤務先NOVITAのオフィス
Noriko Nakaneさんの勤務先NOVITAのオフィス

(文・Noriko Nakane)

2020年02月18日のNoriko Nakaneさんのnote掲載記事「在宅勤務推奨期間、はじめて自分もやってみた #リモートオフィスより転載

自分が勤めている会社が、他社より比較的早く(2020年2月3日~2月7日)在宅勤務推奨に取り組んだので、翌週2月10日、会社のブログに裏側を書いた。

そんな矢先、 #リモートオフィス というキャンペーンをnoteが取り組むと知り、自分がひっそりと持っているリモートワークのノウハウをもう少し書きたくなった。会社ブログは事実をまとめたものにしたので、このnoteではもうちょっと個人よりの意見にて気づきを記載しておく。

筆者が置かれている状況

会社で書いたブログは以下。40人ほどの会社で、2017年よりまる3年ほど、リモートワークに取り組んでいる。フルリモートワーク(地方での在宅勤務が中心)のメンバーが10人程度で、今やリモート勤務メンバーがいないチームの方が珍しくなった。なので、リモート勤務というものがどういうものかを、(リモート勤務の実体験がなくともうっすらと)ほぼ全社員が理解している状況で、slack(チャットツール)やZoom(テレビ会議システム)を全社員が困らず使えている。

BCP(事業継続計画)もまさに構築中で、実際のところ、「3年かけてやっと」今のようにできるようになったわけではある。全社で取り組んだのは初だったためリモートワーク慣れしていない人もおり、全社でやってみて予想外なことも出ていて、現在進行系で課題に取り組んでいる最中である。

私自身は、広報担当としてオフィスで勤務しており、リモートワークの経験はほとんどない(一瞬フリーランスだった時代、いくつかだけ、仕事をしたくらい。この在宅勤務推奨期間が、ほぼ初のリモートワークだった)。つい半年前、入社してくれた同じ広報チームのメンバーがフルリモート勤務のため、実体験としてここ半年ほどで「距離があるメンバーとの勤務」の知見がたくさん溜まったところである。

「在宅勤務推奨期間決定の裏側」の裏側

会社のブログには、事実として内容をまとめているが、こちらは個人のnoteなのでもう少し私見を書いておきたい。

リモートワーク決定までの速さは、十分スピーディーだったように思う。ブログにも書いたが、共有サーバや業務フローがオフィス勤務以外を想定して整備済みであったため、「業務をどうやって回していくか」で懸念が出ることはほとんどなく、やる際のルール面の討議だけだったからだ。もっと早く決定できるとするならば、既に自社で実施経験があったり、それに相当する知見や他社事例があることがマストなのではないか。

リスク洗い出しの際に「オフィス内からのみ対応可能な作業がある」「オフィスの電話をどうするか」などの課題があったが、「感染防止するなら早く始める方が良い」「大抵の作業環境は整っているため来週からでも開始できる」と実施に踏み切ってくれたことが非常によかった。状況は刻々と変化することを認識し、都度見直しをするというスタンスも理にかなっていると思う。また、リスクのひとつとして自宅の作業環境についても挙がったが、私自身の場合についてを後述する。

社内外周知まではもう少し時間が取れると良かった。当時は「在宅勤務」に取り組む企業数が比較的少なかったこと、周知から実施まで1営業日もかけられていなかったためだ。社内周知文、社外周知文ともに広報作成で、文章作成は数時間ほどで対応したが、その後周知までに何人か挟まることを考えると(関係者に内容を確認する、誰かがその内容で全社周知する、サイト更新担当が情報を掲出する、など)着手はできるだけ早いほうがよく、実施の温度感が高まった段階ですぐに連携が欲しいところである。日頃から情報収集したり、ドラフトを準備しておいたりする重要性も思い知った。

社外に関しては、大手企業が取り組むことを宣言しメディアで報道されていたことや、報道を受けて「そうした方が良い」という世の中の声が多くあったなどがあり、周知から実施まで時間が短かったもののありがたいことに理解はいただけていたものと思う。周りの会社の話を聞くに、従業員数が多くなると、社内周知の仕方ひとつで混乱を起こす可能性も高そうと感じてもいる(40人規模の会社だからまだどうにかなった要素がありそう)。これらを踏まえ、周知の動きはまだまだブラッシュアップができると個人的には思っている。

初めての在宅勤務は「意外と」できた

私がやっている仕事は、「考える・文字を打つ・連絡する・傾聴する」といった側面が非常に強い仕事でパソコンスペックにも影響されにくいため、場所が変わってもそこまで効率は変わらなかったと思う。広報のチームメンバーとも、既に距離がある状態で勤務しているので大きな変化はなかった。

(在宅勤務だと、「オフィスにいるメンバーとささっと社内でやりとりすることができない」デメリットはある。在宅勤務期間が長期にわたるとおそらく情報キャッチ漏れが影響してくるが、短期のうちは少々のキャッチ漏れがあっても大丈夫そうな実感)

在宅勤務をする前は「自分に在宅勤務は向いていないだろう」という思い込みがあったが、やってみて「うまく工夫したらやれそう」という実感があったのは大きな発見だった。とはいえ、作業環境や心構えの面で思いがけない気づきもあった。

思いがけない気づき1「自宅の作業環境」

我が家は2人暮らしで、動かせる扉で仕切りができるものの、ほぼワンルームのような家である。これは「お互いほぼ自宅作業をしない(もしくは向いてない)」という大前提の中で、作業部屋や作業スペースを持たずに住んでいる。

在宅勤務が決まって自宅を見渡した時に、正直なところ自宅のどこで勤務するか戸惑ってしまった。作業スペースはダイニングテーブルで確保したものの、一番課題に感じたのがテレビ会議(Zoom)。顔を見せようとすると背景が写ってしまう仕様に対し、生活感がない背景を探すのが難しく、我が家では動かせる扉を閉めたところの1箇所しかないことが判明。その動かせる扉を開けっ放して物で扉のレールを塞いでいたため、在宅勤務前にまず扉を動かせるかを確認するところから始めた。

ちなみに顔を見せないで(ビデオオフで)会議をする方法もあるが、表情などの情報量が減ってしまうので個人的にはおすすめしない。また、Zoomには用意された背景に変える機能もある。「皆と顔を合わせて話したいな」「でもプライベートを覗かれるのはちょっとな」と個人的に考えるからこその悩みかもしれない。

2月3日時点で、我が家は私のみが在宅勤務だったのでその場所を占有して事なきを得たが、今週になって在宅勤務が多くのIT企業で推奨されてきており、一緒に住む2人がお互い在宅勤務することがありえる状況になってきた。さらには、両方とも会議を始めてしまったらどうするのか…(内容も聞こえるし、どうやって勤務場所をすみ分けるのか)と、まさに今、家庭内会議をしているところである。

また、ガジェット好きな夫がいるため、インターネット回線はぬかりなく整備されており問題ないだろうと勝手に思っていたが、通信するガジェットを多数ぶら下げてしまっているせいか、数アカウントが参加するテレビ会議(Zoom)に耐えられないことも発覚した。同じ会議に出た他メンバー宅では問題なかったようなので、我が家だけの問題である可能性が高い。

思いがけない気づき2「在宅勤務の心構え」

私は、フルリモート勤務のメンバーと一緒に仕事をしているため、相手から自分が見えにくいぶんすぐにレスを返したり、自分の様子を先んじて伝えたりする工夫を日頃からしているつもりだ。でも、自分も在宅勤務をしてみて、社内のメンバーでそういうアクションが自分の期待値より少なく感じる場合もあって、「自分の心がけは、まだまだ足りないのかもしれない」と思い知った。

在宅勤務推奨期間はたまたま、自分で完結する作業を進めることが多く、打ち合わせも少なかった。案件のslackチャンネルに入っていないのもあってやりとりが少ないと感じがちで、単なる雑談が別チームのslackチャンネルで行われているのが唯一、人が動いている感じがしてほっこりしたものである(そのチャンネルでは、お互い自宅で飾っているものの話をしていた)。人が動いている感じって結構大事なんだなと思い、その時から、他チームのチャンネルでもslackのリアクションを押したり、普段なら書かないようなslackのポストをするようにした。細かいが、slackの機能である絵文字リアクションだけだと相手に明確な通知が行かないので、動きを出すために時間があるときはできるだけ、絵文字リアクション(前者)でなくテキスト(後者)で返すようにしている。

Noriko NakaneさんのSlackでのやりとり
Noriko NakaneさんのSlackでのやりとり
Noriko NakaneさんのSlackのやりとり
Noriko NakaneさんのSlackのやりとり

また、自分の中で、時間の流れ方をコントロールするのも大事だなと感じた。在宅推奨期間は、いつも家を出る時間に身支度をすませ、通勤時間にあたる時にPCを開いたり準備をしながら家事をして、自分の中で仕事のスイッチをオンに入れていた。誰もいない自宅でまる1日作業すると時間の感覚も薄くなるが、radikoでラジオを流しっぱなしにして時間が流れる感じも作った。一方、勤務終了後はその場から動けなくなることが多くなり(特に週の後半)、この1週間の間ではスイッチオフのやり方をまだ見つけられていないこともわかった。

そんな話を、半年間フルリモート勤務しているチームメンバーに話したところ、「オフィス勤務から在宅勤務になると、(変化があるので)勝手が違う戸惑いがありそうですね。私は最初から在宅勤務で入社しているので、そういうものだと思っているのかもしれません」とのコメントをもらい、自分にとっては新しい視点だった。今、各社がオフィス勤務を在宅勤務へ切り替えている時期のため、このあたりのリズムの作り方も各社各人で試行錯誤が起こるような気がしている。

知見があったから「できた」。もっと知見を貯めたい

自分の予想を裏切り「在宅勤務ができそうだ」と思えたことは、個人的に働き方の選択肢を増やせたという意味で意義深かった。でも今回そう思えたのは、遠隔でのコミュニケーションやチーム作りを会社全体で取り組んでいて知見があったからだろうとも思った。さらにこの半年で、自分でもチーム作りを実体験できたことは非常に大きく、チームメンバーには感謝しかない。

今後、在宅勤務やその情報のニーズが高まっていく中で、既に取り組んでいる会社内の情報を出していく役割として、自分自身が在宅勤務体験者になることの重要性も思い知った。目先に役立つはチームメンバーの状況理解とチーム力のアップ。チームでの試行錯誤は全社での試行錯誤の理解につながり、最終的には知見を言語化する材料としても活用できるため、広報力のアップにつながるのではないかという実感がある。

noteでキャンペーンがあったからと、軽い気持ちで書き始めたこのnoteが約4500字になると思わず、自分でもリモート勤務のノウハウが溜まっている・書けるものがあることを実感した。「リモート勤務メンバーがいないチームが珍しい」社内でもチームごとで常に試行錯誤しており、今回の新型コロナウイルス対策をはじめとして社外でもどんどんニーズが高まっているので、今後も知見を積極的にアウトプットしていきたい。