「血液が足りていません」。日本赤十字社が呼びかけ。新型コロナで毎日1万3千人分が不足。池江璃花子も発信

不要不急の外出を控えることが呼びかけられることで影響が出ている日本赤十字社。地域によっては、血液がすでに不足し始めているところがあると明らかにした。

新型コロナウイルスの感染が拡大し、政府が不要不急の外出を控えるよう呼びかける中、日本赤十字社は「献血協力者の深刻な減少が続いている」として公式サイトで協力を呼びかけている

このままの状況が続けば、「必要な輸血用血液の供給に支障が出る」という。

献血協力者の深刻な減少を伝える公式サイト
献血協力者の深刻な減少を伝える公式サイト
日本赤十字社

新型コロナウイルスの感染拡大は、献血者の減少に拍車をかけている。

日本赤十字社は、「輸血用血液の在庫量が不足し始めている地域が発生し、全国的にこの状況で推移すると、必要な輸血用血液の供給に支障が出てまいります」と、地域によっては血液がすでに不足し始めていることを明らかにした上で、「こうした状況の中でも、成分献血を含め、毎日約13,000人の献血協力が必要です」と訴えた。

献血血液の確保状況を示すグラフ
献血血液の確保状況を示すグラフ
日本赤十字社

日本赤十字社が公表している『献血血液の確保状況』を示すグラフを見てみると、血液の確保数の割合は、国の「新型コロナウイルス感染症対策本部」がイベントの開催時期などを見直すよう言及した2月18日ごろから献血者の数が減少し始め、対策の基本方針が出された25日以降は87.7%まで下がっている。

2月25日から29日までの間の5日間では、献血者数が5千793人減少した。

日本赤十字の担当者に取材したところ、「今回のような呼びかけは異例の対応」とした上で、血液の確保数が減少している主な理由は「通常、献血は『献血ルーム』で行うものと『専用バス』で企業や週末のイベントなどに赴いて行う2つの方法がありますが、不要不急の外出を控えるような呼びかけやテレワークの影響で、バス献血のキャンセルが相次いでいます」とコメント。

全体の血液の確保数の約半数を占める『専用バス』での献血の出動の機会が約920も減り、厳しい状況になっているという。

担当者は「明日すぐに血液がなくなるということはないですが、来週・再来週は厳しい状況。特にO型が足りていません」と話した。

血液の不足をめぐっては、白血病であることを公表していた競泳女子の池江璃花子選手が3月5日、Twitterを更新。

「私も、血液内科にいたので、輸血の大切さは身に染みて感じていますが、献血の減少により、不安な日々を過ごされている方もいます。そして、命を繋いでいる方もいます。少しでも多くの方の献血協力が必要です。一人一人が感染対策をし、みんなが早く元の生活に戻れるよう、そして1人でも多くの命を救えるよう、私からのお願いです」と、献血への協力を呼びかけていた。

注目記事