「想像すると背筋が凍ります」サッカー日本代表選手たちが警鐘を鳴らす、日本人の危機感の薄さ

スペインでプレーする香川真司選手、柴崎岳選手、岡崎慎司選手、イタリアで活躍する吉田麻也選手が動画メッセージを投稿しています。
柴崎岳選手、岡崎慎司選手、吉田麻也選手、香川真司選手(左上から時計回りに)
柴崎岳選手、岡崎慎司選手、吉田麻也選手、香川真司選手(左上から時計回りに)
時事通信社、Twitter

「ステイホーム」

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染者や死者が日に日に増えていく欧州で活躍するサッカー日本代表の選手たちが、母国への警告メッセージを公開している。

香川選手「東京は危機感が薄い」

スペインのリーガ・エスパニョーラ2部のサラゴサに所属する香川真司選手は3月28日に「ステイホーム」と題したブログを公開。「みなさんご存知のように、スペインは本当にたくさんの人が苦しんでいます。僕自身も自宅待機が今3週目に入り、最低でもあと2週間続くと言われています」と近況を伝える動画メッセージを投稿した。

香川選手は「日本もおそらくこれから感染が拡大するでしょう。でもそれを止めるのはみなさん次第です」と自宅待機を呼びかけた。

香川選手は前日の3月27日にも「今伝えたいこと」と題したブログを更新し、「日本の皆さんも日々大変なことかと思います。でも他人事だと思わないでほしい。東京の映像を見ても、危機感が少し薄いように思えます」と警告していた。

岡崎選手「必ず自宅にいて」

香川選手と同じくスペインでプレーするウエスカの岡崎慎司選手も3月29日にTwitterに動画メッセージを投稿。

「必ず自宅にいるようにしましょう。ひとり一人が責任を持って行動することで、このコロナに対する対策がよりできると思います」と自宅待機を呼びかけた。

また、「家の中で何をしたら楽しくできるか、何をしたら成長できるか考えてやれば自宅待機も前向きに過ごせるのではないかと思います」と、ネガティブになりすぎず、自宅待機のポジティブな面を捉えるよう訴えた。

吉田選手「冗談抜きで家にいて」

サッカー日本代表主将の吉田麻也選手も「ステイホーム!」と動画メッセージで呼びかけた。

吉田選手がプレーするイタリアでは、新型コロナウイルスによる死者が1万人を超え、医療崩壊の懸念も深刻化している。

動画の中で、吉田選手は「僕がイタリアにいて思うのは、初期の段階で少しみんなが油断してたんじゃないかな、と思いました。中国で起きていることだ、これはアジアの問題だと捉えていて、日常生活を送っていたことによって、一気に感染が拡大してしまったなと思っています」とオーバーシュートが起きる前のイタリアの状況を振り返った。

さらに、「日本の皆さんも、もしかしたら心のどこかで、頭の片隅で、『ヨーロッパで広がってるね』とそれくらいに思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に感染は一気に広がります」と警鐘を鳴らし、「出来るだけ、極力、必要時以外は自宅に待機されることが一番だと思います」と強調した。

柴崎選手「他人事だと思わないで」

もっとも危機感を持って警鐘を鳴らしているのは、スペイン2部のデポルティボに所属する柴崎岳選手だ。

3月28日にTwitterで「他国で起こっていることが他人事だと思わず、自分は安全だと思わず、自分や家族、友人にかかるリスクを少しでも減らすためにもみなさんの意識を変えて欲しいと思います」と動画メッセージも投稿。

翌29日には「今の状況と思い」と題したnoteを公開し、「世界や僕がいるスペインの状況を見て、近い将来、今見ているこの酷い光景が日本にも訪れると想像すると背筋が凍ります」と母国に警戒を呼びかけた。

スペインは新型コロナウイルスによる死者がイタリアに次いで多くなっている。

柴崎選手は「スペインでは死者の数、感染者の数が毎日増えています。自宅待機命令が出る2週間前、こんな数字がでるなんて想像もしていませんでした」と数週間前を振り返り、こう警告した。

自らの手で家族を葬るかもしれない可能性を不要不急の外出以外でわざわざ拾いに行くなんて馬鹿げています。

本当に気を付けて欲しいです。

今日する事は今しなければいけない事なのか、収束してからじゃダメなのかをしっかりと判断して欲しいです。

<中略>

このような事を日本で起こす訳にはいきません。

本当に必要最低限の移動だけにして、出来る限り人との接触を避けて、外に出る時は最大限注意して周りに配慮して欲しいです。

帰ってきたら手洗いうがいもして、自分に出来る事を毎日して欲しいです。

スペインでの光景、状況を日本で繰り返さない為に、今一度本当に危ないんだと危機感を持ってださい。

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