英エリザベス女王 新型コロナの危機で異例の演説「良い日常は戻ってくる」

エリザベス女王が特別な事態での演説を行うのは、今回でたった5回目だという。
エリザベス女王の演説をテレビで見る人々 ロンドン
エリザベス女王の演説をテレビで見る人々 ロンドン
Kirsty O'Connor - PA Images via Getty Images

新型コロナウイルスの感染が世界に広がる中、エリザベス女王は4月5日、イギリスやイギリス連邦に向けて、人々を励まし安心感を与えるため、ビデオメッセージを公開した。

ウィンザー城で事前に収録された演説で女王は、新型コロナウイルスと最前線で闘っている人々を称賛し、リスクの高い人々を守るため、外出せず家に留まっている人々に感謝を示した。

「困難が高まる今、皆さんにお話をします。私たちの国が混乱し、一部の人には悲しみをもたらし、多くの人に経済的困難を与え、みなさんの日々の生活に大きな影響を及ぼしています」

また、国のこの困難への対応にも言及し、「数年後には、みなさんがこの困難にどう対応したかを誇りに思えることを願っています。その後の世代は、当時のイギリス人たちは他の世代同様強かった、と話すでしょう」

約4分半にわたるスピーチ動画では、新型コロナウイルスと最前線で闘う医療従事者や、彼らに感謝を示し応援する人々の映像なども映されている。

演説の後半では、戦時中に女王が妹の故マーガレット女王と行った演説についても語った。

「妹に助けてもらいながら行った1940年に初めて放送した演説のことを思い出します。当時まだ子どもだった私たちは、このウィンザー城から、安全のために家から避難せざるをえなかった子ども達に向けて話しました。今再び、多くの人が愛する人と離れて生活する苦しみを感じるでしょう。しかし、今も当時のように、心の底でその行動が正しいと知っているはずです」

ビデオメッセージの最後には、「まだ忍耐が必要な状況が続きますが、良い日常は戻ってきます。友達とまた会うことができます。家族とまた会うことができます。みなさん、またお会いしましょう」と希望のメッセージを送った。

ガーディアン紙によると、この撮影は新型コロナウイルス感染のリスクを軽減するため、ウィンザー城の一室で、女王と1人のBBCカメラマンのみで行われたという。

女王が特別な事態での演説を行うのは、毎年恒例のクリスマス・スピーチを除いてたった5回目だという。過去のスピーチは、1991年に湾岸戦争の際、1997年のダイアナ妃が他界した際や、2002年に母のエリザベス王妃が他界した際、そして2012年の女王即位60周年の際に行われたのみだという。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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