慶応大学病院、新型コロナ以外の患者の約6%が陽性。病院側は「院外・市中で感染したもの」と言及

手術前や入院前のPCR検査の結果で明らかになった。医師や研修医の感染が相次いだ慶應大学病院。これまでの経緯をまとめる。

東京都の慶應義塾大学病院は4月21日、新型コロナウイルスに関する状況を公式サイトで公表し、新型コロナウイルス以外の治療目的で来院した無症状の患者67人に対してPCR検査を行ったところ、約6%の人が陽性だったと発表した。

病院側は「地域での感染の状況を反映している可能性がある」としている。

新型コロナウイルス感染症に関する当院の状況について
新型コロナウイルス感染症に関する当院の状況について
慶應義塾大学病院

慶応大学病院は公式サイトで、「4月13日から4月19日の期間に行われた術前および入院前PCR検査において、新型コロナウイルス感染症以外の治療を目的とした無症状の患者さんのうち5.97%の陽性者(4人/67人中)が確認されました」公表

この結果を受け、病院側は「これは院外・市中で感染したものと考えられ、地域での感染の状況を反映している可能性があり、感染防止にむけてさらなる策を講じていく必要があると考えております」と病院内での感染の可能性については言及をしなかった。

慶大病院では外勤医が複数感染。これまでの経緯は?

慶応大学病院の入院患者や関係者の新型コロナウイルス感染をめぐっては3月26日、東京都の永寿総合病院からの転院患者を発端として、医師1人と医療スタッフ3人の感染が確認された。

この4人について病院側は「すべての接触者の待機から4月21日時点で26日目となり、新たな発症者はなく感染拡大はしておりません」としている。

一方、慶応大学病院の医師は永寿総合病院に外勤する者がいるが、その外勤医99人を対象にPCR検査を行った結果、5人の医師が陽性となった。

その後、35人を対象に3月27日から行った陽性者の接触者調査をした結果、2人の医師が陽性となったと発表し、計7人の医師が新型コロナウイルスに感染した。

病院側によると、陽性となった医師はすでに待機期間を経て「いずれの医師も復帰」しているという。

研修医が40人で会食、集団感染で18人陽性

また、病院側は4月6日、同病院の初期臨床研修医の18人が新型コロナウイルスに感染したことを公式サイトで発表した

病院が公表した情報によると、3月31日にまず研修医1人の感染が判明し、その後同じ病院で研修をしていた医師99人に対してPCR検査を行なったところ、18人が陽性となったことが明らかになっている。

病院側は研修医の修了式を集合する形では行わないほか、懇親会等も行わないよう注意喚起するなど必要な対策を取り、会食も禁止としてきたとしているが、接触者の調査を進めたところ、研修医40人が会食を行なっていた。

病院側は「患者さんを守るべき医療者として許されない行為であり、医師としての自覚が欠如していたと言わざるを得ません。初期臨床研修医の指導を行う大学病院として今回の事案を大変重く受けとめております」 とコメントしていた。

病院側が公表した情報によると、「現在、すべての初期臨床研修医の入院や自宅待機、最後に初期臨床研修医と接触した職員の自宅待機から4月21日時点で21日目となり、新たな発症者はなく、感染拡大はしておりません」としている。

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