PCR検査、日本が少ない6つの理由は? 専門家会議が会見で説明

「発熱後4日」とする受診のガイドラインについても「すぐ受信できるよう」見直しを表明しました
新型コロナウイルス対策を議論する政府の専門家会議、副座長の尾身茂氏(5月1日)
新型コロナウイルス対策を議論する政府の専門家会議、副座長の尾身茂氏(5月1日)
時事通信社

新型コロナウイルスの対策を検討する政府専門家会議は5月4日に行なった記者会見で、「発熱後4日」とされている受診の目安について「4日待たなくてもすぐに受診できるようにして早々に発表する」とガイドラインの見直しを表明した。

尾身茂副座長はPCR検査の体制について「今のままでは不十分だと、専門家はみんな思っている」として、「最低でも1日2万件までいく必要がある」と指摘。

日本でPCR検査が拡充されなかった理由について以下の6つを挙げた。

(1)帰国者・接触者相談センター機能を担っていた保健所の業務過多

(2)入院先を確保するための仕組みが十分機能していない地域もあった

(3)地方衛生研究所は限られたリソースの中で通常の検査業務も並行して実施する必要がある

(4)検体採取者および検査実施者のマスクや防護服などの感染防護具などの圧倒的な不足

(5)保険適用後、一般の医療機関は都道府県との契約がなければ検査を行うことができなかった

(6)民間検査会社などに検体を運ぶための特殊な輸送機材が必要だった

会見で、尾身氏は「話はそれるが」と前置きし、受診のガイドラインについて「厚生労働省と我々で4日待たずにすぐに行けるように直して早々発表する」と語った。

また、一般患者の受診目安が『(発熱後)4日』と定められた理由についても、「(医療現場の)キャパシティーが低くて足りなかったという実態があった」と明かした。3月中旬には政府に対して検査体制の強化や検体数と陽性率の把握を強く求めた一方、「現実を無視した提案はできなかった」という。

今後について「医師が必要と考える軽症者を含む疑い患者に対して迅速かつ確実に検査を実施できる体制に移行すべき」だと強調。都道府県の知事がリーダーとなり、PCR検査体制にどのような問題があるのかを把握し、検査数や陽性率を公表するよう求めた。

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