黒川弘務検事長の訓告処分「あまりに軽い」 批判相次ぐ

東京高等検察庁の黒川弘務検事長が、緊急事態宣言下で賭けマージャンをした問題。国会やネットでは、黒川氏への訓告処分が「軽すぎる」「納得できない」などの批判が噴き出している。
黒川弘務東京高検検事長=2019年1月、東京・霞が関
黒川弘務東京高検検事長=2019年1月、東京・霞が関
時事通信社

東京高等検察庁の黒川弘務検事長が、新型コロナウイルスの緊急事態宣言中に新聞記者らと賭けマージャンをした問題で、黒川氏への訓告処分に対し「軽すぎる」「納得できない」といった批判が相次いでいる。

懲戒処分より軽く

人事院の指針は、賭博をした職員は減給か戒告、常習として賭博をした職員は停職と定めている。

訓告は、減給や停職、免職といった国家公務員法が定める「懲戒処分」ではなく、懲戒処分より軽い措置で、口頭や文書での注意に留まる。

5月22日の衆院法務委員会では、黒川氏の処分を巡り野党から批判が噴き出した。

継続認めても「常習」にならない?

山尾志桜里議員は、「新聞記者2人が数年前から黒川氏と賭けマージャンをやり、1か月に数回のペースで行っていた」とする報道に言及。法務省の刑事局長は、黒川氏への聴取の結果、「3年前から月に1、2回程度、マージャンをしていたという調査結果を得ている」と答弁した。

これに対し、山尾議員は「黒川さんが、特定の記者と賭けマージャンを継続したと認めているのに、なぜ懲戒処分ではなく訓告なのか?」と質問。

森雅子法務大臣は「前例の事案やレート、本人の態度を総合的に考慮し処分した」と、従来の答弁を繰り返した。

続けて、刑事局長は「(黒川氏と記者は)旧知の間で、レートはいわゆるテンピン、1000点を100円と換算するもの。賭けマージャンは許されるものではございませんが、社会の実情を見ましたところ、必ずしも高額とは言えないレートだった」として処分の理由を説明した。

「甘すぎる」批判が続出

Twitterでは「訓告はあまりにも軽い」「甘すぎる。納得できない」などと批判が相次いでいる。

立憲民主党の枝野幸男代表は21日夜、自身の Twitterで「黒川検事長に対する訓告というのは処分ですらなく、法務省が認定している事実を前提としても、前例等に照らして軽すぎると言わざるを得ません」などと指摘した

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