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2020年05月26日 11時37分 JST | 更新 2020年05月26日 11時37分 JST

1歳2カ月の息子が隔離入院してPCR検査を受けた話

新型コロナウイルスとは、ある程度長丁場で付き合っていかなくてはならない状況です。特に小さなお子さんのいる方に、何か少しでもヒントになることがあればと思い、書きました。

sot via Getty Images

1歳2カ月、よちよち歩き始めたばかりの息子が、4日間隔離入院してPCR検査を受けました。結果は陰性でした。

今後、新型コロナウイルスとはある程度長丁場で付き合っていかなくてはならない状況です。特に小さなお子さんのいる方に、何か少しでもヒントになることがあればと思い、書きました。

(医療の専門家ではありませんので、私の理解不足から不正確な点があるかもしれない点は、ご容赦ください)

 

始まりは、38.4度の高熱でした

結論から言うと、息子の隔離入院とPCR検査実施は、コロナ感染疑いが特段高いわけではないが、院内感染防止等の観点からも念のため行われたものでした。コロナとは別の症状で入院する必要があったものの、高熱のあった息子は、いったん隔離入院となり念のためPCR検査を受けることになったのです。

始まりは、38.4度の高熱でした。

金曜日の朝、目覚めると、息子に熱がありました。しかし、ごはんもよく食べ、いつもより少し元気がないかな、という程度。子どもに熱はつきものです。熱が高めで心配はあったものの、一日様子を見ることにしました。

この日は5月15日。コロナウイルスの全国的な新規感染者数はピークを過ぎ、緊急事態宣言は一部の地域で解除、ようやく少し先がみえてきていました。私たちの住む東京都内でもこの日の新規感染者数は9人でした。

 

我が家は夫、私、息子の三人暮らし。緊急事態宣言後、私も夫も在宅勤務となり息子の保育園も休園。自粛生活で三人ともほとんど人と会っていなかったこと、感染者数が落ち着いてきていることからも、コロナの可能性は低いだろうとは思っていました。

一方で、数日前予防接種で行ったかかりつけの小児科に、「熱などの症状のある方は事前にお知らせください」という張り紙がしてあったことが頭をよぎります。この時期ただの熱では病院も簡単には診てくれないだろうな、何事もなく治ると良いなと考えていました。

しかし夜になっても息子の高熱は続きます。夜中1時頃、隣に寝ている息子の動きで目を覚ますと、何だか様子がおかしい。よく見ると、意識がとんで身体ががくがくとけいれんしていました。こんなことは生まれて初めてで、びっくりした私と夫は、すぐに119番。救急車で家から10分ほどのところにある子ども専門の総合病院の夜間救急に運ばれました。

息子は救急車の中で意識が回復しました。夜間救急の医師の診断は、熱性けいれん。

熱性けいれんは1~2歳のこどもによくあるけいれんで大きな心配の必要がない症状。まだ未熟な脳が急な発熱に対応できず起きてしまうもので、医師によると日本では全人口の7~8%に起こるということです。

発熱の原因は不明とのことでしたが、肺炎などの症状はみられず、同居している私と夫に何も症状がないこと、コロナ陽性者との接触等も特にないことなどから、コロナの疑いは特に考慮しなくてよいだろうとの話でした。解熱剤を処方してもらい帰宅しました。

 

診断は熱性けいれん、解熱剤を処方され帰宅したものの…

その後の経過はテーマから離れるので省略しますが、息子はその後も高熱がおさまらず、24時間以内に3回のけいれんを起こしました。

3回目のけいれんで同じ病院の夜間救急を受診。短い間に複数回のけいれんがあり、けいれんが続く時間が長いことがあったため、検査と経過観察のため入院する必要があるとのことでした。

その際医師から、「高熱があるため、院内感染防止などの面からもいったん感染症専門病棟で隔離しPCR検査の結果を待ちつつ入院してもらう」と言われました。

コロナ、PCRという言葉がこれまでになく自分事として重みをもって感じられました。多少のとまどいはあったものの、すぐに承諾しました。

3回目のけいれんで病院に行ったのは日曜日の深夜2時頃。38~40度台の高熱が丸2日以上続き、点滴や血液検査、髄液検査など様々な処置を受けた息子はギャン泣き状態です。

入院の手続き後、「PCR陰性判明までは保護者の方も病棟には立ち入れないので、ここでお別れです。大切にお預かりしますね」と看護師さんに言われ、キャスター付きのベッドに乗せられて息子は病院の奥へと消えていきました。ベッドの柵にしがみつき必死の形相で泣いて訴えかけてくる息子の姿は今も忘れません。

時事通信社

その場で決まった隔離入院 

最初に高熱が出たとき、まさかこんな展開になるとは想像していませんでした。隔離入院することもその場で決まり、私たちも、もちろん1歳2カ月の息子も心構えをする時間は一切ありませんでした。医師からは、PCRで陰性が確認され次第一般病棟に移って面会ができる、週の半ばには結果が出るだろうとのことでした。

翌日からは、医師から一日一回の病状報告の電話があり、そこで感染症病棟にいる息子の様子を聞くことができました。それ以外に、一日一回2分間限定でFaceTimeで患者と家族がTV電話面会を出来るようになっていました。

必要な着替えやオムツ、おもちゃや絵本などは、2日に一度指定の時刻に玄関口で病院スタッフに渡すという方法がとられていました。

入院翌日の月曜日から、熱は少しずつ下がって経過も検査結果も心配はないと報告を受け、体調についてはほとんど心配がいらなくなりました。

また、熱が下がったあと全身に発疹がみられたことから、熱の原因は突発性発疹だろうということになり、コロナではない可能性が高まり安心材料となりました。(突発性発疹はご存じの方も多いかと思いますが、子どもによくある病気です。医師によると、突発性発疹に伴う熱は熱性けいれんを起こしやすいということでした。)

経過が良好で熱の原因も分かり少し安心したものの、心配だったのはわけも分からず一人で隔離入院している息子の精神面。

入院したのは日曜の明け方。PCR検査は、抗体を月曜に出すので結果は週の半ば頃判明予定とのことで、少なくとも丸3、4日間は面会できません。

息子は生後8か月から保育園に通い、親と離れたり別の大人と過ごすこと自体は初めてではありません。しかし、体調のすぐれない中全く知らない環境で何日も親に会えないという事態は初めでした。

 

電話面会で目にした、ベッドに一人ポツンと座る息子の姿

息子が隔離されているのは感染症病棟。お世話してくださる医療スタッフの方は防護服やマスク姿で、息子にはおそらく表情もよく読み取れないでしょう。電話面会で、大きな4人部屋の窓際の柵付きベッドに一人ポツンと座っている息子の姿を見たときはさすがに胸が締め付けられました。1歳2カ月、まだ何も状況を理解できない年齢です。朝起きたり、お昼寝から目覚めたりする度に、ここはどこなんだ、お母さんはどこだ、いつか迎えに来てくれるのかと混乱しているのだろうか。自宅で、そんなことをぐるぐる考えて過ごしました。

保育園で、朝親と別れるときにぎゃんぎゃん泣く子ども。親の姿が見えなくなった途端に、ケロリとして楽しく遊び出したりするよ。そんな話を前にママ友がしていたなー。意外と楽しく過ごせていたりして。と希望的観測をもってみたり。

もっとも、医師からの電話で、「さみしくて泣いてお母さんを呼び続けているような状態です」と聞かされ現実に引き戻されました。

FaceTime面会では、私や夫の声を聞くなり激しく泣き出す状態。TV電話が何なのかも息子はまだ分かっていませんから、どこか近くに私たちがいるのではないかと、キョロキョロ探していました。

結果、水曜日にPCR陰性が判明して病室を移り、その日の夜に面会できるようになるまで、約4日間面会できない日々が続きました。

息子はまだ話ができないため、PCR陰性結果が出るまでの隔離入院中の詳しい入院生活のことを私はほとんど知りません。(それを知りたくてここまで読んでくださった方ごめんなさい。)

久しぶりに会った息子は、ずっと泣き続けていたのか声はガラガラで少し痩せていました。看護師さんたちからも「○○ちゃん、やつれたね」と心配されていたそうです。退院後帰宅してからも数日は、声もガラガラなまま、ずっと抱っこを求めてくるような状態でした。隔離入院はやはり相当心身にこたえた様子です。

ただ、面会可になって初めて病室で息子に会ったとき、看護師さんになついている様子があったのが印象的でした。感染症病棟というリスクのある大変な環境の中、息子に良くしてくださったスタッフの方々には本当に頭が下がる思いでした。

ちなみに、PCR陰性確定者が相部屋になっていましたが、息子のほかにまだハイハイもできないような生後数か月の赤ちゃんが2人いました。 

今回、息子は、突発性発疹と熱性けいれんというこれくらいの年齢の子どもによくある症状が理由で入院し、高熱があったため院内感染防止の観点から隔離入院、PCR検査となりました。このご時世でなければ、一般病棟に入院し、面会も可能だったでしょう。

子どもは病気をしやすく、いつ何時入院が必要になるかも分かりません。どんなに親が気を付けていてもちょっとしたところで何かのウイルスをもらい、熱を出したり風邪をひいたりします。ワクチン開発には時間がかかり、しばらくはコロナのリスクと向き合いながら生活しなければならないことを考えれば、今回のような隔離入院は今後どの子どもにもあり得ることだと思いました。第二波がくることも指摘されており、インフルエンザなどが流行する冬に、感染状況がどうなっているかも心配です。

また、今回とは異なり、コロナ感染者数がピークの時だったら、息子の高熱はやはりコロナが原因なのではないかと、PCR結果が出るまで、もっともっと不安でいっぱいだったと思います。感染症病棟の中ももっと切迫した様子だったかもしれません。

そして、もし検査で陽性だったら。そのまま何週間も隔離入院を続けることになり、親は親でたとえ症状がなくとも濃厚接触者として自宅にとどまるしかないと想像すると、本当に本当に大変なことだと痛感しました。今後も感染予防などできることをしっかりやっていかなければいけないなと思います。

なお、こどもとコロナウイルスについては、日本小児科学会から様々な情報が発信されており、私は時々チェックしています。

日本小児科学会 https://www.jpeds.or.jp/

コロナウイルスで皆が少なからず我慢をし、辛く大変な思いをされている方もたくさんいます。

息子は元気に帰ってきたのだから、今回の入院も振り返ってみれば大したことはなかったようにも思えます。こんな場合もあるんだなー、くらいで誰かの頭の片隅に残ってくれれば。

長文をお読みいただきありがとうございました。

 (2020年5月25日のAyuさんのnote掲載記事「1歳2カ月の息子が隔離入院してPCR検査を受けた話」より転載)