京都アニメーション放火殺人で青葉容疑者逮捕。これまでの経緯は?

36人が亡くなり、33人が重軽傷を負った事件。容疑者の行動や、逮捕までの経緯をまとめた。
京都府警伏見署に入る青葉真司容疑者
京都府警伏見署に入る青葉真司容疑者
時事通信社

2019年7月、京都市にある「京都アニメーション」の第1スタジオが放火され、36人が死亡した事件。京都府警は5月27日、さいたま市見沼区の無職、青葉真司容疑者(42)を放火や殺人などの疑いで逮捕した。朝日新聞などが報じた。

36人が亡くなり、33人が重軽傷を負った事件の経過を振り返る。

当日までの青葉容疑者の動き(2019年)

・事件数日前

青葉容疑者がさいたま市の自宅から京都に移動。NHKによると、宇治市にある京アニ本社や京都市伏見区にある第1スタジオ付近で目撃されていた。

・7月17日(事件前日)

青葉容疑者が京都府宇治市のホームセンターでガソリンの携行缶などを購入。産経ニュースによると、台車に乗せて数キロ歩いて移動し、現場となった第1スタジオ付近などで下見をするようにうろついていた。この日は現場近くの公園で寝泊まりしたという。

・7月18日(事件当日)

午前10時半ごろ、青葉容疑者が第1スタジオに放火。朝日新聞によると、玄関から侵入し、1階にガソリンをまいて放火した。3階建てのスタジオは全焼。建物内にいた36人が亡くなり、33人が重軽傷を負った。

青葉容疑者は自らも重度の火傷を負い、現場から100メートルほど逃げたところで警察官に身柄を確保された。

現場となった京都アニメーション第1スタジオ=2019年7月20日撮影
現場となった京都アニメーション第1スタジオ=2019年7月20日撮影
時事通信社

逮捕までの経過

NHKによると、青葉容疑者は大阪や京都の病院で治療を受けてきた。全身の大部分に火傷を負っており、一時は予断を許さない状況に。皮膚の移植手術などを繰り返したという。

5月27日、京都府警が殺人や現住建造物等放火などの疑いで青葉容疑者を逮捕。

朝日新聞によると、春ごろから容体が安定。歩くことはできないが、会話ができる状態だという。医師の話などから取り調べに耐えられると判断し、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が京都府で解除されたことなども考慮したという。

青葉容疑者は調べに「間違いありません」と供述しているという。

一方重軽傷を負った33人のうち、10カ月以上が経った2020年5月27日現在も1人が入院中だという。

動機は?

青葉容疑者は動機について「小説を盗用された」などと主張。

NHKなどによると、青葉容疑者は京都アニメーションの公募に少なくとも小説2点を応募していることが分かったものの、会社側は「内容に自社の作品との類似性はない」としている。

京都アニメーションとは

公式サイトによると、1981年創業。「涼宮ハルヒの憂鬱」「けいおん!」「らき☆すた」など、数々の人気作品を地方から送り出してきた。国内外にファンが多く、事件後は多くの人が献花台に訪れた。

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