清原和博さん、執行猶予が明けてコメント「これからの人生を薬物依存症で苦しむ人たちと、野球界に捧げたい」(全文)

「不安、絶望、微かな希望。これが今のぼくの全てです」と書かれた直筆メッセージも公開した。
元プロ野球選手の清原和博さん(2019年11月30日、「ワールドトライアウト2019」で撮影)
元プロ野球選手の清原和博さん(2019年11月30日、「ワールドトライアウト2019」で撮影)
時事通信社

元プロ野球選手の清原和博さんが6月15日、覚せい剤取締法違反による懲役刑の執行猶予期間を終えたことを報告し、談話を発表した。

談話は、文藝春秋社を通じて発表された。清原さんは、「私、清原和博は本日6月15日をもちまして、覚せい剤取締法違反に対する、懲役2年6カ月、執行猶予4年を満了することとなりました」と報告。

ファンや関係者らに改めて謝罪し、「自分の行為を悔いる日々の中で、これまで私がいかに多くの人の力によって生かされていたのかという事実に気づきました」とつづった。

執行猶予期間中は、薬物依存症の治療を受け、依存症の啓発イベントなどにも登壇していた清原さん。「薬物依存症の治療を進める中で、薬物の恐ろしさ、この病気の実態を知り、人と繋がっていくこと、人に助けてもらうことの大切さを知りました」と振り返った。

薬物依存症の実態を多くの人に知ってもらいたいという思いから、本の出版を決めたという。書籍『薬物依存症』(文藝春秋社)は6月15日に発売された。

「薬物との戦いに終わりはありませんが、私はこれからの人生を薬物依存症で苦しむ人たちと、野球界、とくに私自身の原点でもあります高校野球に捧げたいと考えております」と結んでいる。

また、「不安、絶望、微かな希望。これが今のぼくの全てです」と書かれた直筆メッセージも公開した。

清原和博さんの直筆メッセージ
清原和博さんの直筆メッセージ
文藝春秋提供

清原さんが発表した談話の全文は以下の通り。

ご報告

新型コロナ・ウィルスによって社会全体、多くの方々が苦しんでおられる中、私事で恐縮ですが、ひとつご報告をさせていただきます。

私、清原和博は本日6月15日をもちまして、覚せい剤取締法違反に対する、懲役2年6カ月、執行猶予4年を満了することとなりました。

私を支えてくださっていた野球ファンの皆様、野球関係者の皆様、報道関係者の皆様、私に個人的に関わっていただいた皆様に、多大なるご心配をおかけしましたことを、あらためてお詫び申しあげます。

逮捕されてから、この4年間で私自身がどのように変われたのか、実感や自信を持てずにいるというのが正直なところです。

ただ、自分の行為を悔いる日々の中で、これまで私がいかに多くの人の力によって生かされていたのかという事実に気づきました。

薬物依存症の治療を進める中で、薬物の恐ろしさ、この病気の実態を知り、人と繋がっていくこと、人に助けてもらうことの大切さを知りました。

生きがいを見つけようとする中で、清原和博という人間がいかに野球によって救われてきたかということを再認識しました。

今の私ができることとしまして、この4年間で体験した自分自身の悩みや弱さを隠さずに記すこと、それによって薬物依存症の実態をより多くの方々に知ってもらうこと、これしかないのではないかと考えるに至り、この度、『薬物依存症』という書籍にさせていただきました。

薬物との戦いに終わりはありませんが、私はこれからの人生を薬物依存症で苦しむ人たちと、野球界、とくに私自身の原点でもあります高校野球に捧げたいと考えております。

お詫びと感謝を込めまして。

令和2年6月15日

清原和博

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