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2020年06月30日 17時33分 JST | 更新 2020年07月02日 13時49分 JST

その日がきた。亡き瀧本哲史さんが約束した「6月30日にまた会おう」。伝説の講義が一夜限りの復活

自分の頭で考えてない人があまりに多いので、そういう人を人間にしなきゃいけないという問題意識というか、使命感もあります。現代社会では、しっかり自分の頭で考えられない人間は、「コモディティ(替えのきく人材)」として買い叩かれるだけですから。

HuffPost Japan
瀧本哲史さんの講義が一夜限り復活する。講義が全文公開されているnoteのサイトhttps://note.com/doourhomework/n/n2b78080bef8e

2019年8月に47歳で亡くなった瀧本哲史さん。投資家、経営コンサルタント、京都大学客員准教授など幅広い肩書きを持っていた。「自分で考えて、自分で決められる」個人として自立し、世の中を変える力を発揮して、地殻変動(パラダイムシフト)を起こそうーー。そう著作や講義で若者に対して熱く鼓舞してきた。

8年前の2012年6月30日、東京大学で開かれた講義は参加資格を29歳以下に限定し、10〜20代の約300人が全国から集結した。若者を鼓舞し、羽ばたかせるための種をまいたこの授業は「伝説」の講義と銘打たれている。

「8年後の今日、6月30日にここに再び集まって、みんなで『宿題』の答え合せをしましょう」という瀧本さんが講義の最後に呼び掛けた言葉に沿い、6月30日一夜限り、当時の講義内容がYouTubeで再現される。

 かつてアリストテレスは「奴隷とは何か?」という問いに、「ものを言う道具」と答えました。僕がいまの世の中を見ても、けっこうな数の「ものを言う道具」の人がいます。一応ものは言って人間のかたちはしてるんですけど、自分の頭で考えてない人があまりに多いので、そういう人を人間にしなきゃいけないという問題意識というか、使命感もあります。
 現代社会では、しっかり自分の頭で考えられない人間は、「コモディティ(替えのきく人材)」として買い叩かれるだけですからね。(講義より)

緊張感と笑いに包まれた講義は、星海社新書から「2020年6月30日にまたここで会おう」という題で出版。本の編集者などが今回の企画に動いた。

瀧本さん流の学生に対する態度は、時に厳しく突き放し、終始温かい視線が感じられる。教壇から投げかけられた熱い言葉は8年たった今も、色あせない。 

 一見いますぐ役に立ちそうにないこと、目の前のテーマとは無関係に見えることが、じつは物事を考えるときの「参照の枠組み」として、非常に重要なんですよ。
 経済学しか学ばない人、学べないような人は、実際あまり役に立たないんです。見方が一方的だったり狭すぎて、学問の新しい理論やジャンルを開拓していくことなんて、できないんですよ。これは仕事でもおんなじです。
 学問や学びというのは、答えを知ることではけっしてなくて、先人たちの思考や研究を通して、「新しい視点」を手に入れることです。(講義より)

この日に向けて公開されたnoteで講義の全文が読める。「瀧本さんからバトンを受け取った人間たち(特に10代・20代の若者たち)が、自分の「宿題」は何かと考え、自らの持ち場で何かしら具体的なアクションを起こすためのきっかけづくりにしたい」と編集者の柿内芳文さんが公開した。公開は、6月30日から7月6日までの7日間だ。

「ファイトクラブ」って映画、観たことあります?
 どういう映画かというと、普段しょうもないサラリーマンをやっている男が、週末に集まってボクシングごっこをする秘密クラブに入るんですね。それがきっかけで、だんだん世の中の矛盾に気づき始めて、平日の昼間にメンバーたちがちょっとだけ世の中を変えるいたずらを始めるんです。
 ところがいたずらを続けるうちに、どんどんやることが大きくなって、最終的に革命が起きてしまうという映画です。
 たぶん今、この国にも必要なのは、そういった「ファイトクラブ戦略」なんですよ。いろんな人がちょこっとずつ、あちこちで変化を起こすと、いつの間にか世の中が大きく変わるということです。(講義より)

さらに、対話を広げるために柿内さんは「瀧本さんの講義を受けた(読んだ)感想を、ご自身のnoteに書いて、シェアしていただけないでしょうか。具体的には #瀧本宿題 というハッシュタグをつけて投稿してほしい」とnoteで呼びかける。自分の頭で考え変革を、と言う瀧本さんの遺志を受け継ぎたいという思いからだ。

30日午後7時からのYouTubeでは、瀧本さんが取締役を務めていた音声コンテンツ配信企業「オトバンク」により、当時の資料とともに声優により瀧本さんの講義が再現される。オトバンク広報によると、当時の音声は質が悪いため聞き取りづらいところがあることと、文章を補いわかりやすくするために、改めて声優の声で編成したという。

(みなさんは)きっと何か自分のテーマを見つけて、世の中をちょっと変えることはできるんじゃないかと僕は思っております。なので、2020年の6月30日までに、やはり何かやりましょう。僕もそれまでに何かやりますので、みんなで答え合わせをしましょう。(講義より)


少しでも世の中変えようという気持ちを人々に鼓舞し続けてきた瀧本さん。天からどんな様子でゲキを飛ばした日本を見守っているだろうか。 (ハフポスト編集部・井上未雪)

 

なんとなく受け入れてきた日常の中のできごと。本当はモヤモヤ、イライラしている…ということはありませんか?「お盆にパートナーの実家に帰る?帰らない?」「満員電車に乗ってまで出社する必要って?」「東京に住み続ける意味あるのかな?」今日の小さな気づきから、新しい明日が生まれるはず。日頃思っていたことを「#Rethinkしよう」で声に出してみませんか。