レジ袋有料化、いち早く進めた欧米ではどうなった? 新型コロナ対策で再び無料化の動きも

アメリカでは、店員がレジで袋に商品を詰めて客に渡す場合が多い。新型コロナ対策はどのように行われている?
日本に先駆け、アメリカでもプラスチック製買物袋の有料化が始まっている
日本に先駆け、アメリカでもプラスチック製買物袋の有料化が始まっている
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7月1日より日本では、全国でプラスチック製買物袋の有料化が始まった。一方、アメリカやイギリスなどでは、同じ袋を複数回使うことで新型コロナウイルスの感染リスクが高まることなどを懸念し、再び無料で提供する動きが出てきている。

アメリカ:一時は無料配布の再開も

全米州議会議員連盟(NCSL)によると、アメリカではビニール袋の取り扱いについて、リサイクルの実施に重点を置いている州もあれば、無料のビニール袋配布を禁止、もしくは有料制にしている州もある。

レジでのプラスチック袋の配布を禁止する全米初の州となったカリフォルニア州では、食料品店や薬局では2015年7月、コンビニや酒店では2016年7月からレジ袋の姿が消えた。再利用可能な袋が、10セント(およそ10円あまり)で販売されるようになった。

しかし、4月23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、カリフォルニア州内のスーパーマーケットが、それ以降60日間はビニール袋を無料配布することが決まった。

アメリカでは、店員がレジで袋に商品を詰めて客に渡す場合が多い。再利用可能なバッグを使用することで、スーパーマーケットの従業員を新型コロナウイルスに感染する危険にさらす可能性があるなどの意見が、小売業界団体から挙げられていたとニューヨーク・タイムズが報じている。

無料配布の期間を終えた6月24日、ABC7 Newsは、再びビニール袋の無料配布が禁止となったことを報じている。店舗はガイドラインに従い、再利用可能なバッグを持ち込む利用客には、自分で詰め込みをするよう依頼するなどの措置をとっているという。

また、メーン州では、プラスチック製袋を禁止する法律を留保し、発効時期を2021年1月に延期することを決めた。

プラスチック製から、再生可能な資源で作られた袋へと移行が進んでいる
プラスチック製から、再生可能な資源で作られた袋へと移行が進んでいる
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イギリス:オンライン食料品店での無料化

イギリスの中でもイングランドでは、2015年から従業員250名以上の企業を対象に、プラスチック製袋の有料化(5ペンス=およそ6円あまり)が進んでいる。BBCによると、2019年8月時点で、有料化の導入以降、使用されるレジ袋の数は約9割減少したという。

しかし新型コロナの影響で一時的な対策として、オンライン食料品店での食品配達に使用されるプラスチック製袋は9月21日まで無料化が決定。顧客と配達ドライバーの健康と安全を保護し、配達を迅速に行うためだという。

ロイターでは、「このコロナウイルスの時代に、プラスチックは復活した」とし、フェイスマスクや防護服、また持ち帰り用の食品容器や使い捨てプラスチック袋の生産が大幅に増加していると報じている。

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