TikTok、アメリカでの提訴に言及。「意見述べる権利ある」売却騒動めぐりユーザーにも“反撃”訴えかけ

「みなさんにはホワイトハウスを含む選挙で選ばれた代表者に意見を述べる権利があります」(TikTokの声明より)

個人情報の流出疑惑をめぐって、アメリカ事業の売却交渉が進められているショート動画アプリ「TikTok」は8月7日に声明を発表し、アメリカ企業との取引を禁じる大統領令に対し、提訴も辞さない構えを示した。

イメージ画像(Photo by Nicolas Economou/NurPhoto via Getty Images)
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TikTokは北京のバイトダンス(字節跳動)が運営するショート動画アプリ。これまでに、2017年にアメリカの動画アプリ「musical.ly」を買収したことが「安全保障上の脅威」となるか調査されていた。

またトランプ大統領は、バイトダンスとアメリカ企業との取引を9月15日から禁止する大統領令に署名していて、アメリカ企業への売却圧力を強めている。

こうした動きに対し、バイトダンス側は7日に声明を発表。「適正な手続きを経ずに発令された大統領令に衝撃を受けています。私たちは、政府から表明された懸念事項に対して建設的な解決策を提供するべく、米国政府に誠意を持って対応しようとしてきました」と主張した。

そのうえで、TikTokのアプリを通じて個人情報が中国政府に流出するなどとした主張について「中国政府とユーザーのデータを共有したことはなく、中国政府の要求に応じてコンテンツを検閲したこともない」と反論。「根拠のない懸念」などとした。

そして、大統領令をめぐり裁判所への提訴も示唆。理由については「私たちの会社とユーザーが公平に扱われるため」と説明した。

TikTokはアメリカでも若い世代を中心に支持を得ている。声明ではこうしたユーザーに対しても「私たちは、常にお客様の安全、安心、そして私たちのコミュニティの信頼を一番に考えています。常にです」と釈明。

「TikTok のユーザー、クリエイター、パートナー、家族として、みなさんにはホワイトハウスを含む選挙で選ばれた代表者に意見を述べる権利があります。皆さんの意見は、聞き届けられる権利があるのです」と行動を呼びかけた。

バイトダンスはこれまでに、マイクロソフトなどのアメリカ企業と事業売却に向けた交渉を進めていた。一方で中国国内ではこうした姿勢に「弱腰」との批判も上がっていた。

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