「#周庭氏の逮捕に抗議します」がTwitterでトレンド入り。抗議のうねりは日本でも「対岸の火事ではない」

「#FreeAgnes」のハッシュダグと合わせて、周庭さんの逮捕に抗議する声はSNSで世界に広がっている。

香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)さんが8月10日に香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕されたと、香港メディアが相次いで報じた。朝日新聞デジタルなど日本のメディアもこの件を報道している。

周庭さん逮捕の報道を受け、Twitterには抗議の声が殺到。ハッシュタグ「#FreeAgnes」「#周庭氏の逮捕に抗議する」が「日本のトレンド」入りするなど大きなうねりとなっている。

香港の「逃亡犯条例」改正について記者会見する、香港の民主派政党「香港衆志」の周庭氏=2019年6月10日、東京都千代田区の日本記者クラブ
香港の「逃亡犯条例」改正について記者会見する、香港の民主派政党「香港衆志」の周庭氏=2019年6月10日、東京都千代田区の日本記者クラブ
時事通信社

周庭さん逮捕。民主派団体の解散後、Twitterでの発信は抑えていたが...

NHKニュースによると、香港の警察は10日、男女合わせて10人を香港国家安全維持法に違反した疑いなどで逮捕したと発表した。

警察は、逮捕した10人が外国の勢力と結託し国家の安全に危害を加えた疑いがあるなどとしている。香港の複数のメディアは、この10人の中に周庭氏が含まれていると伝えている。

周氏は香港の民主派団体「デモシスト(香港衆志)」に所属し、香港の民主化運動への支援を日本でも訴えるなどしてきたが、香港国家安全維持法が施行された6月30日に解散を発表。

「生きてさえいれば、希望があります」などと綴ったのを最後に、それ以降はTwitterなどでの発信も控えていた。

また、今回逮捕された10人の中には、中国に批判的な論調で知られる「蘋果日報(ひんかにっぽう/アップル・デイリー)」の創業者の黎智英も含まれている。

黎氏をめぐっては、中国国営の新華社通信が5月、「香港を混乱させる反中分子の頭目」と名指しで批判していて、国安法による香港メディアへの弾圧が一層強まる可能性があると毎日新聞が報じている

今回逮捕された10人の中には、香港の新聞「蘋果日報(ひんかにっぽう)」の創業者の黎智英氏も含まれている(2020年06月16日撮影)
今回逮捕された10人の中には、香港の新聞「蘋果日報(ひんかにっぽう)」の創業者の黎智英氏も含まれている(2020年06月16日撮影)
時事通信社

「#周庭氏の逮捕に抗議する」がトレンド入り。SNSで大きなうねりに

周庭さん逮捕の報道直後からTwitterでは抗議の声が集まり、ハッシュダグ「#FreeAgnes」「#周庭氏の逮捕に抗議する」がトレンド入りするなど大きなうねりを見せている。

ジャーナリストの堀潤さんはTwitterで「日本の未来を想い、声をあげることの大切さを語ってくれた。今度は私たちが周さんのために、そして香港で声を上げ続けてきた人たちのために立ち上がるべき」と投稿。

また、映画監督の白石和彌さんは「民主化を訴えるだけで逮捕。戦前の日本と同じ。大好きな香港から自由が失われてしまった」と綴っていた。

SNSに広がる抗議の声の中には、「日本からも声をあげるべき」「決して対岸の火事ではない。将来、日本でも同じようなことが起こるかもしれないのだから」などと自由な主張が抑え込まれることへの危機感を発する人もいた。

注目記事