コロナでピンチの「目黒寄生虫館」、多くの寄付が集まる。減収650万円で支援呼びかけ

マニアックな人気を誇る「目黒寄生虫館」。事業継続のため、寄付を呼びかけています。
「目黒寄生虫館」公式サイトより

東京・目黒区にある寄生虫専門の博物館「目黒寄生虫館」が、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休館などで大幅に減収したとして、寄付を呼びかけている。ネット上で話題になり、呼びかけから3日で850人以上の支援者が集まった。

「たくさんの方に支援をしていただいて、本当にありがたい限りです」。そう話す同館の担当者は、事業継続のため、引き続き寄付を呼びかけている。

マニアックな人気誇る「目黒寄生虫館」 コロナ禍で650万円の減収

目黒寄生虫館」は、1953年に創設された民間の博物館だ。寄生虫研究の第一人者である医学博士の亀谷了氏が私財を投じて創設した。

2フロアに寄生虫の標本や関連資料が展示されており、奇妙で不思議な寄生虫の生態を学ぶことができる。

寄生虫を専門とした博物館は世界でも珍しく、国内外からたくさんの来館者が訪れる。特にガラス瓶に入った寄生虫の標本は見どころで、一度訪れたら忘れられないインパクトを残す博物館だ。

目黒寄生虫館の常設展示の様子
目黒寄生虫館の常設展示の様子
「目黒寄生虫館」公式サイトより

そんな「目黒寄生虫館」も、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた。

2020年3月から約3カ月間にわたって臨時休館し、減収額は650万円を超える見込みという。

寄生虫の啓蒙のため、同館の入館料は無料だ。ミュージアムショップでの売り上げや来館者からの寄付金が運営を支えているが、コロナ禍の苦難を受け、2020年度の寄付金目標金額を「500万円」に設定したという。

3日で約850人の支援集まる

8月15日に公式サイト上に寄付の呼びかけを公開し、館内にポスターを展示したところ、TwitterなどSNS上で情報が拡散した。

同館の担当者によると、18日正午時点で約850人の支援者が集まったという。

「今少しずつお返事を出していますが、海外の方からも送金があって本当に感謝しかありません。支援をしてくれた方からは、まだ行ったことがないけれどいずれ行きたいとか、思い出深い場所だからとか、普段お世話になっているなどあたたかいコメントをいただいています。たくさんの方に支援をしていただいて本当にありがたい限りです」

担当者はそう話す。事業継続のため、今後も寄付を募っていくという。

寄付金は館内の募金箱のほか、クレジットカード決済や銀行振込、PayPal決済などを通して受付けている

6月20日に開館を再開し、当初は来館者はまばらだったというが、夏休みシーズンに入り賑わいを見せているという。担当者は、「狭い博物館なので、ご来館いただく際には混雑状況を電話で確認していただくなど、感染防止にご協力をいただけたら嬉しく思います」と話している。休館日は毎週月曜日・火曜日。

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