韓国で大規模ステマ騒動が勃発 YouTuberが次々謝罪の事態に

有名企業「プーマ」に関する動画でもステマが判明。「大食い」ユーチューバーにも疑惑の目が注がれている。
韓国の人気YouTuberヤンパンの現在のチャンネル。動画が非公開になり謝罪文だけ見られるようになっている。
韓国の人気YouTuberヤンパンの現在のチャンネル。動画が非公開になり謝罪文だけ見られるようになっている。
「ヤンパン Yang Pang」公式YouTubeより

韓国では今、多くの人気YouTuber(ユーチューバー)が、対価を得た広告であることを隠して商品を紹介するステルスマーケティング(ステマ)を行っていたことが発覚し、問題になっている。

この問題に火をつけたのは、Dispatchの記事が最初だった。記事では、歌手のカン・ミンギョンとスタイリストのハン・へヨンがあげた動画で、自分で買ったかのように紹介しているカバンや靴、アクセサリーなどが、実は企業から依頼された広告だったことが報じられた。

それ以降、多くのユーチューバーの動画に対してステマではないかと指摘する声が殺到し、謝罪をするユーチューバーが続々と現れている。

日本でも知られる大食い「モッパン」動画でも、ステマが発覚。特に、韓国だけでなく多国籍のファンを持つユーチューバー、ムン・ボキも、広告である表記をしていなかったなど、複数の動画がステマであったことを謝罪し、視聴者を驚かせた。

さらに、そもそも「大食い」についても、実は、食べるふりをして吐き出しているのではないかとも指摘されている。

プーマもステマ騒動に

テレビで活躍する芸能人も含めて、謝罪文や謝罪動画が続々とアップロードされる中、さらに話題を呼んだのは大企業との関わりがあったとする疑惑だ。

230万人が視聴登録し、10〜20代の人気を集めるユーチューバー、ヤンパンの動画。

朝鮮日報などによると、ヤンパンは8月8日、自身のチャンネルに4分9秒の動画を載せ、過去にあげたステマ動画について謝罪した。

ヤンパンは動画の中で「広告映像にもかかわらず、生放送の途中で、広告について正確に事前告知をしなかった」と話している。また、ステマ問題が注目されるにつれて批判を恐れ、本人が該当の動画を削除したことも明かした。

その中でも注目されたのは、ヤンパンが過去にあげた有名スポーツブランド、プーマと関連したステマ動画だった。

朝鮮日報によると3月、ヤンパンは「必要なものを全部くれるというので、売り場を一掃しました」というタイトルの動画をアップロードした。

動画は、ヤンパンがプーマの店に入り「撮影してもいいですか?」と、店員に聞くところから始まる。

人気ユーチューバーの来訪を喜んだ店員が本社に電話をかける。すると、店員は「気楽にショッピングしてもらいたいと言っている」との理由で「本社が協賛する」と告げるシーンが登場した。

視聴者からすれば、ヤンパンが偶然プーマの店を訪れ、プーマからの好意を受けて無料で商品を手に入れたかのように見える動画だった。しかし、これはプーマ側と事前に企画されたものだったという。

ヤンパンは5日、自身のYouTubeチャンネルのコミュニティに謝罪文を掲載した。スポーツ京郷によると、謝罪文では「事前にプーマ側と一緒に企画し演出して行われたコンテンツ」と明かした。一方で、動画配信後に記載された広告表記について「『裏広告(ステマ)』が問題になった後ではなく、3月15日から表記していた」とも釈明されていたが、現在、その文は見られなくなっている。

しかし、朝鮮日報によると、ヤンパンは6月、テレビ番組に出演し、プーマと関連した動画について「家族と外出していたのだが、私たちだと知った店員のおかげで商品がもらえた」とも述べていた。番組では広告だということを伏せあくまで偶然だったかのように語っていた。

この番組内での発言についてヤンパンは10日、再び動画をアップロードし釈明した。動画では、「当時撮影前、制作側に台本を検討し、プーマの広告に関する詳細な内容をお話しし、除外してとお願いしたが反映されなかった」とした。

当時、一緒にプーマの店を訪れたヤンパンの姉・クムジも同じくユーチューバーとして活躍しており、8月8日にインスタグラムで謝罪文を公開した。

謝罪文では「プーマの広告を通して金銭ではないが、結果的に対価を受けました」とし、対価は「服と靴などを提供してもらった」と明かした。また、自分自身は「本当に対価がある広告だとは知らず、いつものように家族放送に参加しました」とも釈明した。

中央日報によると、他にもヤンパンが自分のお金で買ったとしていたチキンを食べる動画も広告だったことがわかっている。

一連の騒動を受けて、韓国ではプーマが不買運動の対象となっている。

そんな中、スポーツソウルによると8月15日、プーマのヨーロッパ公式ホームページで、旭日旗のイメージが使用されていたことが新たに判明した。ホームページではすでに削除されたが、消費者の怒りに拍車をかける出来事となっていた。

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