「武漢のプールがすし詰め状態」報道は“中国の戦略的勝利だ”。報道官、コロナ対策に自信「欧米に伝えてあげて」

自信たっぷりに話す趙立堅報道官は、中国の「戦狼外交」を象徴する一人でもある。

中国外交部の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は20日、日本のTwitterでもトレンド入りするなど反響を呼んだ「武漢のプールで人がすし詰めになっている」という一連の報道について、「戦略的勝利を示している」と政府のコロナ対策を自画自賛した。

8月15日、武漢市のプールで開かれたイベントの様子 (Photo by STR/AFP via Getty Images)
8月15日、武漢市のプールで開かれたイベントの様子 (Photo by STR/AFP via Getty Images)
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話題を呼んだのはAFP通信が8月18日に配信した「武漢のプールがすし詰め状態に…マスク姿の客見当たらず 中国」という記事だ。

新型コロナウイルスの感染が世界で初めて広がった武漢市のプールで音楽イベントが開かれたことを伝え、「すし詰め状態の人々の中にマスク姿の客は一人もいなかった」としている。

このニュースは日本のTwitterでもトレンド入りし、「武漢にとってはコロナは過去のことなのか」などと様々な反響を呼んでいた。

中国外交部の趙立堅報道官は20日、記者会見でこの報道について質問されると「そのニュースは私も見た。欧米の皆様が大変驚いたと聞いている」と話し、「これは武漢のコロナ対策がすでに戦略的な勝利を収めたことを示している。中国政府の戦略的な勝利でもあるだろう。(海外メディアには)中国のコロナ対策や、本当の状況がどうなっているのか、ぜひ皆様の国へ伝えて欲しいと思う」と自信を示した。

中国政府の発表によると、8月20日の大陸部分での新規感染者は22人。いずれも大陸外からの輸入事例で、武漢市のある湖北省は含まれていない。

趙報道官は強気な物言いで知られ、中国の強硬的な「戦狼外交」を象徴する一人。3月には自身のTwitterに「新型コロナはアメリカが武漢に持ち込んだ可能性がある」などと投稿し問題視された。

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