フレッドペリーのポロシャツ、極右集団にユニフォームにされる⇒販売停止 「私たちとは真逆の存在」と声明

Proud Boysは、フレッドペリーのアイコン、ローレル(月桂樹)と類似したデザインの旗も掲げている。
オレゴン州ポートランドで開催されたProud Boysの集会(2020年9月26日撮影)
オレゴン州ポートランドで開催されたProud Boysの集会(2020年9月26日撮影)
SOPA Images via Getty Images

ポロシャツなどで知られるイギリスのファッションブランド「フレッドペリー」。

その代表的なデザインである、襟と袖に黄色の2本のストライプが入った黒のポロシャツを、白人至上主義者と関わりを持つアメリカの極右集団「Proud Boys」のメンバーがユニフォームとして着用し、問題となっている。

フレッドペリーは9月24日に公式サイトで声明を発表。Proud Boysとの関わりを否定し、「ユニフォーム」としての使用を止めるまで、アメリカとカナダで同商品を販売をしないことを明らかにした。

Proud Boysとはどんな団体か?

CNNによると、2016年に誕生したProud Boysは、アメリカの主要公民権団体「南部貧困法律センター(SPLC)」に、反イスラム主義で女性蔑視的だとして、ヘイト(憎悪)集団に分類されている。

BBCによると、これまでにニューヨークなどでANTIFAと対立。また、アメリカで広がる「Black Lives Matter」運動に激しく反対し、暴動が起きている。

メンバーはフレッドペリーのポロシャツを着ていることで知られ、メンバーが掲げる旗には、同ブランドのアイコンであるローレル(月桂樹)と類似したデザインが施されている。

Proud Boysのメンバーが掲げる旗(2020年9月7日撮影)
Proud Boysのメンバーが掲げる旗(2020年9月7日撮影)
Anadolu Agency via Getty Images
主宰する「フレッドペリーチャンピオンシップ2020」で使用されたフレッドペリーのロゴ。ローレルをモチーフにしている。
主宰する「フレッドペリーチャンピオンシップ2020」で使用されたフレッドペリーのロゴ。ローレルをモチーフにしている。
Julian Finney via Getty Images

「彼らは、私たちとは真逆の存在」

フレッドペリーは声明で、ブランド創立以来イギリスのサブカルチャーアイコンとして、65年かけて包括性、多様性、独立性を訴えてきたと説明。

その上で、現在Proud Boysのメンバーが着用していることで「北米では、これまでと非常に異なる意味を帯びていることが判明しました。私たちは、これを終わらせるために最善を尽くさなければならない」とし、販売停止を発表した。また、弁護士とともに、不法なブランドの使用を追究するという。

声明では最後に、2017年にProud Boysとの関わりについて質問された時のジョン・フリン会長の返答を引用している。

同ブランドは、イングランドのテニス選手、フレッド・ペリー氏が設立。綿紡績工の息子であるペリー氏は、当時、エリートのスポーツだったテニスでチャンピオンになり、東ヨーロッパからきたユダヤ系のビジネスマンとともにこのブランドを始めたという。

「私たちは、彼らも、彼らの理想もサポートなどしていません。彼らは、私たちの信念や、ともに働く人々とは真逆の存在です」

テニス界に大きな功績を残したフレッド・ペリーさん(1936年9月12日撮影)
テニス界に大きな功績を残したフレッド・ペリーさん(1936年9月12日撮影)
AFP via Getty Images

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