「この髪が私です。」トランスジェンダーの元就活生が登場する新聞広告がTwitterで反響を呼ぶ

トランスジェンダーの元就活生が赤裸々に語った当時の悩み。「男と女、どっちで就活したらいいんだろう。一年間、悩んで、誰がみても女性とわかる長い髪で就活していました。」

「この髪が私です。」

9月30日の朝日新聞朝刊(東京本社版)に掲載された全面広告にTwitterで反響が広がっている。

9月30日の朝日新聞朝刊(東京本社版)に掲載された広告
9月30日の朝日新聞朝刊(東京本社版)に掲載された広告
AKIKO MINATO

広告を掲載したのは、ヘアケアブランドのパンテーンを展開するP&Gジャパン。髪型にも象徴される日本の画一的な就職活動のあり方に異を唱えるキャンペーンの一つ「#HairWeGo」の一環だ。

広告には「この髪が私です。」とのキャッチコピーと共にPrideHairというハッシュタグが添えられ、2人の人物が並んでいる。

左側の人の髪は短く、「男と女、どっちで就活したらいいんだろう。一年間、悩んで、誰がみても女性とわかる長い髪で就活していました。」という文言が書かれている。

一方で右側の人の髪は長く、「髪だけは、嘘を付けなかった。髪を切ることは、ずっと大切にしてきたプライドまで切ることになるから」と記されている。

実は、2人はトランスジェンダーの元就活生だ。

広告の下部には、以下のようなメッセージが添えられている。

服装もメイクも髪も、内に秘めた気持ちも、本当は自分の個性を出して就活したい。

でも、不安。就活の場においては、誰もが少なからず思うことかもしれません。LGBTQ+の就活生であれば、なおさらです。

ここに登場したふたりは、トランスジェンダーの元就活生。ふたりにとって、髪は大切なアイデンティティであり、プライドの象徴でした。

自分をアピールしたい時に、自分を偽らなければいけない。誰にも相談できない悩みを抱える就活生が、この瞬間にも、います。だからこそいま、一緒に考えませんか。

就活を、自分の個性を偽る場ではなく、自分を、自分らしく表現できる場にするために。

この広告を見た人からはTwitterで「とてもよかった。素晴らしい」「考えさせられた」「この広告を見るまで、(トランスジェンダーの悩みを)想像さえしなかった」などの感想や「髪型や髪色も個性のひとつ、どんな人でも生きやすい働きやすい世の中になりますように」と願う投稿など多くの反響が寄せられた。

パンテーンはこれまで、「あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする」をブランドの理念に掲げ、キャンペーンを展開してきた

3年目となる今年は、LGBTQ+の元就活生の体験談をもとに、自分を偽らずに自分らしさを表現できる就職活動について考える「#PrideHair」プロジェクトが9月30日から始まった。

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