新井浩文被告の控訴審、弁護側は「合意があったと誤信」と改めて主張。被害女性とは民事上の和解成立

弁護側によると、被害女性に慰謝料を支払い、新井被告と女性との間で民事上の和解が成立したという。
新井浩文被告
新井浩文被告
時事通信社

派遣型マッサージ店の女性従業員に性的暴行を加えたとして強制性交罪に問われ、一審東京地裁で懲役5年の実刑判決を受けた元俳優・新井浩文被告の控訴審初公判が10月12日、東京高等裁判所(細田啓介裁判長)であった。

新井被告は出廷せず、代理人弁護士のみ出廷した。

一審判決では強制性交等罪が成立すると認定されたが、弁護側は控訴審で、新井被告が性交に合意があったと誤信していたと改めて主張。強制性交罪が成立する要件である、「被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行」を用いていたとは判断できない、と訴えた。

また、弁護側によると、被害女性に慰謝料を支払い、新井被告と女性との間で民事上の和解が成立したという。

検察側は控訴の棄却を求めた。

一審判決は

新井被告は2018年7月1日午前3時ごろ、マッサージのため東京都内の自宅マンションに呼んだ女性に性的暴行を加えたとして起訴された。

裁判では、①「被害者の反抗を著しく困難にする程度」の「暴行脅迫」があったかどうか、また、②性交の合意があったと新井被告が誤信していたかどうか(故意の有無)が争点となり、弁護側は無罪を主張していた。

一審判決で、東京地裁は女性側の主張を全面的に認め、「暴行を用いて性交したことは間違いなく認められ、性交について合意があると誤信したとの疑いを入れる余地もない」と認定。強制性交等罪が成立するとして、検察側の求刑通り、懲役5年の実刑判決を言い渡した

弁護側は判決を不服として即日控訴していた。

慰謝料を支払い、和解が成立

この日の控訴審では、新井被告が女性側に慰謝料を支払ったことが明らかになった。弁護側は「民事上の和解は成立している」とした。

一審では、弁護側は「被害弁償金」として女性に1000万円、その後2000万円の示談金支払いを申し出ていたが、女性側は示談に応じていなかった。

控訴審はこの日で結審した。判決は11月17日に言い渡される。

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