アートとカルチャー
2020年10月24日 17時46分 JST

『鬼滅の刃』大ヒット、アメリカでも続々報道⇒「パンデミックって何?」「人口の約3%」と驚き

アメリカの映画館は、コロナ禍で依然厳しい状況が続いている。

時事通信社
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が上映されている映画館=10月21日、東京都新宿区

アニメーション映画『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』の大ヒットは、アメリカのメディアでも驚きをもって報じられている。

NHKによると、原作漫画『鬼滅の刃』(集英社)は海外で14の言語に翻訳され、33の国と地域で販売されている。

劇場版は、10月24日時点では日本のみで公開されているが、Varietyによると2021年初頭には北米でも上映を予定しているという。

 

「パンデミックって何?」と驚き

「パンデミックって何? 日本映画に記録的な観客が押し寄せた」と報じたのは、ニューヨーク・タイムズの10月20日付けの記事だ。

公開から3日間で興行収入46億円、観客動員340万人という驚異的な記録を成し遂げた『鬼滅の刃』。

記事では、この数字について、「これまでの国内記録の2倍以上だ。先週末の興行収入としては世界最高で、日本以外の全ての国の売上合計をも上回っている」と伝えた。

アメリカでは、現在新型コロナの影響で、ニューヨークやロサンゼルスなどの主要都市の映画館は休業が続いており、大手スタジオの新作上映も止まっているのが実情だ。

日本でも、『ワンダーウーマン 1984』や『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』などのハリウッドの大作の多くが、年末や2021年以降に公開延期が決まっている。

そうした状況もふまえ、本作には「ほとんど競争相手がいない状況だった」とし、「この成功の偉大さは、通常時でも並外れているが、パンデミックの中では特別な意味を持つ」と分析。

「混雑した劇場で、他人と隣り合わせで数時間座ることが安全だと感じられたら、観客は早く映画館に戻ってくるということを証明した」とまとめた。

 

「日本全体の人口の約3%」

「数百万人がパンデミックに逆らい、日本で記録的観客」という見出しをつけたのは、通信社のブルームバーグ

観客動員340万人について、「日本全体の人口の約3%にあたる」と説明し、本作の公開のために、「コロナの感染リスクを無視して」人々が週末に映画館に向かったとした。

記事では、日本でも新型コロナの新規感染が日々明らかになっていることにふれながら、「アメリカや多くのヨーロッパ諸国で報告されている数とはかけ離れている」とした。配給会社である東宝の株価上昇についても報じている。

その他にも、VarietyDeadlineComicBookNewsweekなども『鬼滅の刃』について取り上げている。

 

アメリカの映画館、窮地に陥る

アメリカの映画館は、地域によって営業している映画館もあるが、依然厳しい状況が続いている。

アメリカ映画館チェーン大手のAMCシアターズは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、大きな損失が生まれており、厳しい経営状態にあることが伝えられている。

CNNによると、2020年内にも手元資金が枯渇する可能性があるという。その打開策として、99ドル(約1万円)で映画館を貸し切りにできるサービスなどを新たに発表している。

ハリウッドでは、ディズニー映画『ムーラン』のように、劇場公開を予定していた作品を配信に切り替える事例が複数出てきている。