「アラジンの魔法のランプ」を数百万円で買わされる。インドで起きた詐欺の手口とは?

男2人が逮捕。ある時には、「アラジン」を名乗る人物が実際に目の前に現れたこともあったという。
魔法のランプのイメージ写真
魔法のランプのイメージ写真
daniel_wiedemann via Getty Images

本物の「アラジンの魔法のランプ」と嘘をついて金銭をだまし取ったとして、インドで男2人が逮捕された。

被害者のインド人の医師は、偽物のランプ購入などをめぐって、日本円に換算して数百万から数千万円を騙し取られた。

映画「アラジン」などに登場する魔法のランプは、さすると魔人が現れ、願いごとを叶えてくれる。

物語に登場する架空のアイテムなのに、なぜ騙されてしまったのか。

医師がインドの放送局「NDTV」に説明した手口は次の通りだ。

医師は2018年ごろ、体調が悪いという女性の自宅を訪ねた際、その息子と称する男2人と出会った。訪問診療が1カ月以上続く中で、男らが次第に、その家を訪ねてくるカリスマ行者と会うよう、繰り返し伝えてきたという。

医師が行者に会うと、1500万ルピー(2110万円)でランプを譲ると勧められたが、310万ルピー(約430万円)しか支払えないと返したという。そのランプは、富や幸運、健康をもたらす「アラジンの魔法のランプ」だと伝えられた。

また別の日には、架空の物語の主人公で、貧しい青年として描かれる「アラジン」を名乗る人物が実際に目の前に現れたこともあったという。

India.comによると、一行は、ランプが本物であると見せかけるため、中から“魔人”の「ジーニー」が現れるかのように振舞っていたという。その一方で、医師に対してランプを持ち帰ることは許さず、触ると不吉なことが起きると伝えていたという。

医師はThe Indian Expressに、だまされた理由について次のように語っている。

「この間、息子が病気で入院し、病状が深刻になってしまいました。彼らは『息子に呪いをかけた。もしお金を払わなければ、黒魔術で他の家族にも呪いをかける』と言いました。あの手この手を使って、私は彼らにコントロールされてしまいました」

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