トランプ大統領の息子たち、選挙のデマ情報や動画を拡散。「トランプ票が燃やされた」

数百万人のフォロワーに向け、うその情報を次々に共有。特に激戦州の投票プロセスに関するデマを拡散させている
ドナルド・トランプ・ジュニア(左)とエリック・トランプ
ドナルド・トランプ・ジュニア(左)とエリック・トランプ
ALEX WONG VIA GETTY IMAGES

接戦が続くアメリカ大統領選。開票作業を阻止しようとするトランプ支持者と、開票の継続を訴えるバイデン支持者の間で混乱が深まる中、トランプ大統領の2人の息子が、数百万人のフォロワーたちに向けて、投票プロセスなどに関するデマ情報を拡散。トランプ陣営の劣勢が伝えられている州をめぐる「陰謀論」を助長している。

トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏は、父親が大統領職を失った場合、その結果を受け入れないための運動に支持者たちを呼び込むための役割を担っている。選挙日以来、2人は虚偽情報の発信を続けてきた。デマの多くは、アリゾナ 、ミシガン、ペンシルベニアなどの「スウィングステート」(激戦州)を標的にしている。

例えば、エリック・トランプ氏は、大統領への暴言を吐きながら80枚のトランプ票を燃やしている男性の動画をTwitterで共有。ビデオはデマで、票は本物ではなかった。バージニア州当局はこの偽情報の調査をしている。動画を投稿したアカウントは停止されたが、削除前に少なくとも120万回、閲覧されていた。

「ウィスコンシンの投票率が100%を超えた」「選挙管理委員会が民主党を支持するために不法に投票を作成している」といった、根拠のない情報を広める息子たち。2人の投稿のうち、Twitter、Facebook、インスタグラムで「誤った情報」との警告が出ているものも多数あるが、数百万ものフォロワーを抱える息子たちの偽情報の発信は、「投票が何らかの理由で違法である」とのメッセージを広めることにもなる。

エリック・トランプ氏は5日、「民主党はミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州で選挙を盗もうとしている」とツイート。Twitterは、選挙に関する誤った情報が含まれている可能性があるとする警告を付けた。

トランプ大統領の支持者らによって拡散された「不正選挙」に関する情報は、報道機関の取材によって次々と虚偽だと明らかになっている。これらの情報にSNSのプラットフォームが「誤った情報の投稿」との警告を出しているにもかかわらず、大統領の支持者の間で依然として注目を集めている。

民主党がトランプ支持者に「シャーピー」のマーカーで投票用紙に記入させ、その投票を無効にしたと主張する「シャーピーゲート」のデマも広がっている。選管は、シャーピーを使用しても投票が無効になることはなく、正確に集計されていることを証明するための手段があるとしている。

シャーピーのマーカー
シャーピーのマーカー
ASSOCIATED PRESS

エリック・トランプ氏は、トランプ大統領の代理人弁護士と記者会見を開き、いくつかの州で投票数を巡って法的措置を取るとの計画を発表している。

インスタグラムは4日、ドナルド・トランプ・ジュニア氏のインスタのストーリーの一つにファクトチェックラベルを適用。ミシガン州での「政治的不正行為」が、バイデン票の急増の背後にあるとのデマを示唆する内容だった。その後、「誰かが父親の投票用紙を燃やした」との誤情報も発信していた。

この記事はハフポストUS版の記事を翻訳・編集しています。

【訂正】2020年11月6日16:30

本文中に「トランプ大統領の息子のエリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏は異母兄弟」との記述がありましたが、誤りだったため削除しました。

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