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2020年11月21日 15時53分 JST

相談を受けても事件化せず女性死亡。県警会見は禁止だらけ。質問を受けない本部長。

さらに定例記者会見で県警は、途中からカメラ撮影を許可せずに進めた。

朝日新聞社
定例記者会見に出席した杉内由美子本部長(右)と鈴木知広警務部長=2020年11月20日、佐賀県警本部

相談を受けても事件化せず女性死亡 禁止だらけの県警会見に騒然

 福岡県太宰府市の女性暴行死事件で、佐賀県警が事件前に女性の家族から相談を受けながら事件化しなかった問題について、佐賀県警の杉内由美子本部長が20日の定例会見で初めて触れた。杉内本部長は「被害者の女性が亡くなられたことは大変重く受け止めている。本件を今後の教訓としたい」と述べた。

 報道陣からの質問には主に井手栄治刑事部長が答えた。

■本部長は「総括」のみ

 定例記者会見で県警は、(1)県警が発表したい内容(2)報道陣が聞きたい内容(3)杉内由美子本部長のコメント発表――という順番で、(2)以降のカメラ撮影を許可せずに進めた。福岡県太宰府市の女性暴行死事件に質問がほぼ集中し、最後に杉内本部長が「総括」として、用意していたペーパーを読み上げて終わった。

 県警からの発表は、交通安全とサイバー犯罪について。次の「その他の質問」の時間に移ると、報道陣からは次々と質問が出た。

 杉内本部長に対し、県警が遺族に調査結果を説明した際に謝罪したのではないかとの質問があった。進行役の南谷新・広報県民課長は、井手栄治刑事部長を指名。井手刑事部長は「遺族への説明で、県警と事実の受け止めが違い、認識が違うということになれば、それは『申し訳ない』と言った。対応に不備があって『申し訳ない』という脈絡ではない」と主張した。

 なぜ杉内本部長は質問を受け付けないのか、との質問も出た。鈴木知広警務部長が「必ずしも本部長が答えないというわけではない。担当部長が答えるのが一番ふさわしいと思っている」とした。

 この日は、知事と佐賀市長の定例記者会見と重なった。このため「県警記者クラブから日程の変更を申し入れたが、なぜ今日なのか」という質問もあった。

■県警「会見を主催する県警の権限」と主張

 南谷広報県民課長は「行事と施設の関係でこの日しかなかった。詳しく聞きたいなら、後で広報県民課で対応する」。重ねて「あえてあてたのか」との質問には、警備2課の北島孝浩警備対策官が「悪意はない」と答えた。

 最後に進行役が「本部長に総括をしていただきます」。杉内本部長は「ご遺族に心よりお悔やみを申し上げたい。当時、被害者にただちに危害が及ぶ可能性があるということは認められなかったが、結果として被害者の女性が亡くなられたことは大変重く受け止めている。本件を今後の教訓としたいと考える。以上」。会見は1時間で終わった。

 コメント読み上げの直前には、報道陣から「誰に向けてコメントを出すのか。カメラの向こうの県民ではないか」と、撮影の許可を求める声も上がった。県警は、撮影させないのは「会見を主催する県警の権限」としている。(平塚学、大村久)

■杉内由美子・佐賀県警本部長のコメント(福岡県太宰府市の女性暴行死事件関連部分のみ)

 それから先ほどからご質問をいただいています、太宰府の事案で亡くなられた女性のご家族から、鳥栖警察署に対して申し出をいただいていた件に関してですけれども、まず被害者の女性がお亡くなりになられたことにつきまして、ご遺族のみなさまに心よりお悔やみを申し上げたいと思います。当時、鳥栖警察署に対する一連の申し出の内容からは、被害者の女性にただちに危害が及ぶ可能性があるということは認められませんでしたけれども、結果としまして被害者の女性がお亡くなりになられたということは、大変重く受け止めておりまして、本件を今後の教訓として参りたいと考えているところでございます。以上です。

(朝日新聞デジタル 2020年11月21日 14時48分)

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