結婚式がコロナで中止になったカップル。貯めていた食事代を、困窮者200人の感謝祭の夕食として寄付

女性は、精神疾患や物質使用障害をもつ人々を支援するNPO団体で働いている。
エミリー・バグさんとビリー・ルイスさん
エミリー・バグさんとビリー・ルイスさん
Thresholds Instagramより

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け結婚式をキャンセルした、アメリカ・シカゴに住むカップル、エミリー・バグさんとビリー・ルイスさん。

大規模な披露宴を開くため、およそ5000ドル(およそ52万円)を費やしたケータリングは、式のキャンセルを余儀なくされ、必要なくなってしまった。そこで2人はNPO団体に寄付。感謝祭の夕食として、200食分を提供した。

感謝祭の食事会が中止に⇒自宅にケータリング

CNNによると、夫婦がケータリングを提供したのは、精神疾患や物質使用障害をもつ人々を支援するNPO団体のThresholds。

バグさんは、同団体のアウトリーチ・ワーカーとして働いていた。

地域に根付いた活動を展開するThresholdsは2019年の一年間、幼児から高齢者、ホームレス、退役軍人など8000人以上を支援してきた。援助を受ける人々の多くは、低所得者で十分な食事をすることができていない。

2020年は新型コロナの影響を受け、大規模な募金活動を中止しなければならなかった。通常時であれば、困窮する人々のために感謝祭の食事会を主宰していたが、パンデミックの中では開くことができないと判断された。

Theresholdsの代表者は、CNNの取材に「この寄付が本当に必要だった」とし、「エミリーとビリーのこの行動が、Theresholdsで働く人々がどれだけ深くクライアントのことを気にかけているか表している」などと話している。

ケータリングを担当したBig Delicious Planetのオーナーは、USA TODAYの取材に、「キャンセルの連絡はよくあるが、『慈善目的で寄付する』というのは初めてだった」と明かしている。同社も、新型コロナの打撃を受け、厳しい経営状況が続いていたという。

同社のスタッフ4人が食事を調理。バグさんや他のスタッフが、クライアントの自宅にケータリングを届けた。

別の男性からも、支援の連絡

CNNによると、この夫婦の行いは、他の住民にも刺激を与えている。

同NPO団体に、シカゴに住む男性から、困っている人々のクリスマスの食事のために、キャンルになった退職パーティーの食事費用を寄付できないかと連絡があったという。

Theresholdsの代表者はCBS Newsの取材に、バグさんとルイスさん2人の寄付は「寛大さと創造性のある素晴らしい例」と話した。

「エミリーの親切な行動は、他の人にも影響を与え、困難な時期に愛とつながりを築くように促すでしょう」

大規模な結婚式が中止になったが、2人はカメラマンだけを呼び、シカゴ市庁舎の前で結婚した。

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