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2021年01月01日 09時45分 JST | 更新 2021年01月01日 09時45分 JST

世界中が同じ不安と希望を共有する2021年幕開け。自由に移動できないからこそ、想像の翼を広げたい

バイデン新大統領が誕生することによって、環境問題やSDGsへの取り組みが加速し、日本にとっても中心的な課題に。自由に移動ができない今だからこそ、これまで目を向けてこなかったことを考えたり行動に移してみるよい機会ではないでしょうか。

あけましておめでとうございます。 

昨年よりは少しでもよい年に、と日本のみならず世界中の人が同じ想いで迎えたであろう2021年がスタートしました。

地球規模で同じ不安や希望を共有する新年などめったにないですよね。1月20日には「分断ではなく結束」をめざすバイデン新アメリカ大統領が誕生することですし、2021年は「自分だけよければ」ではなく「異なる人にも寛容」な世界になってほしいと心から祈るばかりです。

 

新型コロナの影響は難民にも…

昨年の元日に私はブログで「東京五輪をめざす難民アスリートたち」について書きました

あまり報道されていないのですが、新型コロナウイルスは難民にも深刻な影響を与えています。2020年9月時点で、世界98か国に避難している難民・避難を強いられた人たち、無国籍者のうち 247人がこの感染症で亡くなりました。

難民キャンプは居住空間が狭く「密」は避けられません。

そのほとんどが国の中心部から遠く離れた場所にあることもあり、新型コロナウイルス感染症の検査や追跡調査は困難です。うがいや手洗いといった、日本人なら幼少期から教育される当然の衛生管理の大切さも伝えていかなければならないし、そもそも清潔な水を手に入れることが大変なので十分な感染予防もいきわたらず、現地で活動する職員の負担は増える一方なのが現実です。

そんな中、自国で医者や看護士をしていた難民たち自らも積極的に予防や治療に参加して、なんとかこの窮地を乗り越えようと懸命にがんばっています。

難民アスリートの中にも、五輪の中止にともなって練習をしていた場所から難民キャンプに戻った選手たちがいます。体調管理も含めてどれほど過酷な生活を送っているのか心配でなりません。

(c) 国連UNHCR協会
ケニアのイテンにて。東京五輪を目指す難民アスリートたちと(2020年2月)

「日本に行きたい」「夢は東京です」と話していたアスリートたち。

東京五輪がいったいどうなるのか、これを書いている時点ではまったくわかりませんが、すべての環境が整い、難民アスリートたちが日本で夢を叶える姿を見られたら、こんなに嬉しいことはありません。ただこればかりは感染症の状況次第です。もし彼らの夢が叶った日には、日本の皆さんもぜひ温かく迎えてあげてほしいと思います。

 

忍耐強さとしなやかさ、私たちが学べること

国連UNHCR協会の報道ディレクターに就任してまだ1年半という短い期間ですが、その間に出会った難民の方たちから教えられることがたくさんありました。

なにしろ想像を絶する過酷な環境にあっても心折れず、「生き抜くこと」を選んで逃げてきた人々です。わずかな希望であっても、諦めずに歩き続ける彼らの忍耐強さ、そして新たな環境に合わせて生きていくしなやかさこそ、コロナ禍にあって私たちが学べることではないでしょうか。

(c) 国連UNHCR協会
ヨルダン・アズラック難民キャンプの子供たち(2019年8月)

そして様々な出会いの中でとりわけ印象的だったのは、日本から遠く離れた地に避難している難民たちが、東北の被災地に心を寄せていることです。

「住み慣れた家や故郷を突然奪われ、家族や友人を失い、知らない場所に避難して生きていかなければならない。国や状況は違ってもその気持ちを私たちは理解できます」と被災地の高校生たちを励まし続ける難民アスリートもいます。

大変な状況にいる自分たちだからこそ、想像の翼を広げ、他の同じ想いをしている人たちのことを考える。こうした発想も、未だウイルスとの闘いの中にある私たちにとってとても大切なことだと思います。

 

バイデン新大統領の誕生によってSDGsへの取り組みが加速

不要不急という表現で奪われたたくさんの当たり前は、ワクチン開発や医療の進歩によって少しずつ回収していけるかもしれません。

一方で例えばテレワークや時差出勤といった、当たり前を失う中で定着してきた新しい価値観は、2021年になってさらにこれまであった社会のかたちを変えてゆくことでしょう。

大きな変化の過程にあっては、なかなか自分ひとりの力で乗り越えるのが難しい局面も出てきます。自分の周りや遠く離れた人の気持ちを想像しながら支えあい、しなやかに新しい価値観や環境に対応していきたいですね。

2021年はバイデン新大統領の誕生によって、アメリカがこれまでとは一転、環境問題やSDGsへの取り組みを一気に加速させることになり、日本にとっても中心的な課題になるでしょう。すでにエコバッグを利用したりと身近なところから取り組んでいる方もたくさんいらっしゃると思います。

SDGsは身近であると同時に、貧困に苦しむ人々に手を差し伸べ、人間が地球に住み続けられる環境改善をするなど、世界全体を見渡して行動をする目標設定でもあります。コロナ禍で自由に移動ができない今だからこそ、ここでも想像の翼を広げて、これまで目を向けてこなかったことを考えたり行動に移してみるよい機会かと思います。

ハフポスト日本版もSDGsを大テーマに、身近なことから地球全体まで、課題解決に向けた会話や提案のプラットフォームを目指して様々な企画を提案していく予定です。

新しい年が皆さまにとって、素晴らしい一年になりますように。

そして、2021年もハフポスト日本版をなにとぞよろしくお願いたします。

(文:長野智子 編集:毛谷村真木