【新型コロナ】英国最新レポート③ワクチンの接種体制、拡大へ

「騎兵隊がやってくる!秋までには成人全員がワクチンを受けられる」。希望の光であるワクチン接種。その現状と見通しは?

英国の新型コロナによる感染者数、死者数、検査数は政府が連日、情報を更新している。

1月10日付の情報によると、1日当たりの新規感染者は5万4940人。死者は563人。累計死者数は8万1431人となった、「累計死者数」とは、検査で陽性となってから28日以内に亡くなった方の数である。(英国の人口は約6700万人で、日本の半分。)

英国では現在、全域でロックダウン状況となっているが、「もっと行動規制を厳しくするべき」という声もあがっている。

新型コロナの感染を阻止するための希望の光となっているのが、ワクチン接種だ。

大衆紙「デイリー・スター」は11日付けの1面(BBCニュース、掲載)で、「すべての人にジャブ(ワクチンの予防接種)を」という見出しをつけた。

その下には「騎兵隊がやってくる!、秋までには成人全員がワクチンを受けられる」という文章がある。英軍がワクチンの配送に協力するからだ。

小林恭子の英国メディア・ウオッチ

先の政府サイトによると、2回でセットになるコロナワクチンの第1回目の接種を終えた人は1月3日時点で129万6432人。

ハンコック保健相によれば、現在、国内では約200万人が接種済みで、人口の90%が住むイングランド地方では1日20万人規模で接種が進んでいるという。

政府は2月中旬までに医療関係者のほかに70歳以上の人すべて(約1400万人)がワクチン接種を終了する目標を掲げている。

そのためには大規模な接種体制が必要だ。11日中にはその詳細が発表されるが、英フィナンシャル・タイムズ等が報じたところによれば、今週末までに全国で一千カ所を超える医療クリニック(一般医が常駐)、223の病院、7つの大規模接種センターで接種体制が稼働する。近い将来は薬局もこれに参加する。

イングランド地方で国民医療サービス(NHS)を提供する「NHSイングランド」の発表によれば、新たに以下の場所が「ワクチン拠点」として運営されるという(BBCのサイトには地図のイラストが入っている。)各センターでは1日に1千人規模の接種が可能になる。

ーミレニアム・ポイント(バーミンガム)
ーアシュトン・ゲート(ブリストル)
ーエクセル・センター(ロンドン)
―マンチェスター・テニス&フットボールセンター
―センター・フォー・ライフ(ニューカッスル・アポン・タイン)
ーロバートソン・ハウス(スティーブニッジ)
―エプソンム・ダウンズ・レイスコース(サリー)

(必要に応じて、アップデートしたい。)

(2021年01月11日の小林恭子の英国メディア・ウオッチ掲載記事「【新型コロナ】英国 最新レポート ③ ワクチンの接種体制、拡大へ」より転載。)

注目記事