新型コロナ変異株とは?国内で市中感染の疑い。特徴を解説【Q&A】

国内で感染経路が不明な変異株が確認されたのは初めてだ。
新型コロナ「変異株」の特徴
新型コロナ「変異株」の特徴

厚労省は1月18日、イギリスで流行しているものと同じ型の新型コロナウイルスの変異株に、渡航歴のない静岡県の男女3人が感染していたと発表した。感染経路が不明な変異株が国内で確認されたのは初めて。時事ドットコムによると、「市中感染」の疑いがあるという。

改めて変異株とは何かをまとめた。

Q 変異株とは?

厚労省によると、一般論として、ウイルスは絶えず変異を起こす。新型コロナに限ったことではない。

イギリスで流行している変異株の名称は「VUI-202012/01」。イングランド南部のケント州で2020年12月13日に最初に確認された

南アフリカでも異なる変異株が増加。これまで国内でも、いずれの変異株も海外への渡航歴のある人や濃厚接触者からは検出されたことがあった。

Q 日本で市中感染が疑われる事例が確認された変異株の特徴は?

国立感染症研究所は、イギリスでの解析から「いままでの流行株よりも感染性が高いことが示唆」されていると指摘。具体的には、「伝播のしやすさを最大70%程度増加すると推定」されるとしている。

ロイター通信によると、イギリス政府の諮問機関「新型呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ(NERVTAG)」は2020年12月21日、この変異株について、従来と異なり、大人だけでなく子どもにも感染しやすい可能性があるとの見方を示している。

Q この変異株は重症化しやすいのか?

同研究所によると、重症化しやすいことを示唆するデータはない。ただ、「症例の大部分が重症化の可能性が低い60歳未満の人々であり、評価に注意が必要」としている。

Q 変異株にもワクチンは効くの?

厚労省によると、小さな変異でワクチンの効果がなくなるわけではない。

ファイザー社のワクチンでは、変異株の新型コロナウイルスにも作用する抗体がつくられたという実験結果もあるという。

国立感染症研究所は、イギリスで流行している変異株について、ワクチンの有効性に影響があるかどうかは「調査中」としている。

Q どう感染予防したらいい?

変異株でも、個人ができる感染予防策としてはこれまでと変わらない。同研究所は、3密の回避やマスクの着用、手洗いなどを推奨している。

Q イギリスでは変異株の流行でどのような対策をとった?

イギリスでは変異株の感染拡大を受け、1月5日から3度目のロックダウン(都市封鎖)を実施。ボリス・ジョンソン首相は今後数週間について「これまでで最も困難な状況」になると警告している。

住民は必要不可欠な医療、食料品の購入、運動、在宅勤務が困難な人の通勤など特定の理由を除き、外出ができなくなっている。

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