節分の豆、5歳以下には食べさせないで!消費者庁の注意喚起、年齢を引き上げた悲しい理由。

乳幼児は、食品をかみ砕く力や、飲み込む力が未発達なためリスクが高くなります。
注意を呼びかける消費者庁の動画
注意を呼びかける消費者庁の動画
消費者庁のYouTube動画より

もうすぐ節分。豆まきを楽しむ人も多いが、小さい子どもにとっては危険もある。

消費者庁は窒息や誤嚥を防ぐため、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないよう呼びかけている

以前は食べさせないで欲しい年齢が「3歳ごろまで」だったのが、なぜ「5歳以下」に引き上げられたのか。理由や注意すべき点をまとめた。

節分の豆NG、「3歳ごろまで」→「5歳以下」に変わった理由

消費者庁はこれまで節分の豆などの硬い豆やナッツ類について「3歳ごろまでは、食べさせないで」と呼びかけてきた

なぜ「5歳以下」に変わったのか。

消費者安全課によると、2020年に4才の子どもが節分の豆を詰まらせて死亡した事故があったことなどから、5才以下は食べないよう呼びかけることにしたという。

朝日新聞によると、2020年2月3日、島根県の認定こども園で豆まき行事中に園児が苦しみ出し、その後死亡が確認された。死因は大豆が気道に詰まったことによる窒息だったという。

消費者庁の担当者は「お子さんによって噛む力などは異なるので、与えるときには大人がしっかり様子を見てほしい」としている。

5歳以下の食品の誤嚥による窒息死は6年で73人

消費者庁の調査によると、2020年までの6年間に⾷品を誤嚥して窒息死した5歳以下の子どは73人。

乳幼児は、食品をかみ砕く力や、飲み込む力が未発達。豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は誤嚥を起こすリスクがあるという。

節分豆は、乾燥していて軽いため、飲み込む準備ができていないのにのどに落ちたり、息を吸ったときに不意に移動して、のどに詰まることも。気管や気管支に入り、気管支炎や肺炎の原因になることもある。

窒息による死亡事故も起こっているほか、ピーナッツが気管支まで入って手術が必要になった例も報告されている。

さらに節分で注意したいのは、口に食べ物を入れたまま動かないようにすることだ。口に入れたまま声を出したり動いたりしていると、誤って飲み込む危険が高まる。

消費者庁の担当者は「節分は『鬼は外、福は内』などと言って動きながら豆をまくので、特に気をつけていただきたいと思います」と話している。

誤嚥してしまう際のシミュレーション動画もサイトやTwitter、YouTubeで公開。「欲しがっても食べさせないで!」と呼びかけている。

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