森喜朗会長を解任できる権限は誰が持っている?菅首相も小池都知事もできない。正解は...

「小池都知事と橋本五輪担当大臣に権限と責任があります」これは誤りだ。

「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」などと差別的な発言をした東京オリンピック・パラリンピックの森喜朗会長が辞任を否定したのに対し、処遇の検討を求めるインターネット上の署名が5万筆を超えるなど、抗議の声が上がっている。

話題になっているのは、自らの辞任を否定した森会長に対し、誰が解任させる権限を持つのかということだ。組織委員会に書面で取材した。

日本オリンピック委員会の女性理事増員方針をめぐる発言について記者会見に臨む東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長=4日、東京都中央区[代表撮影]
日本オリンピック委員会の女性理事増員方針をめぐる発言について記者会見に臨む東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長=4日、東京都中央区[代表撮影]
時事通信社

■定款を紐解く

森会長の地位を規定しているのは組織委員会の「定款」だ。

23条では、3名以上35名以内の理事を置くと定められており、理事のうち誰か一人が会長となる。森会長は組織委の理事の一人でもあるのだ。理事はまず評議員会の決議によって選任され、その理事たちの決議で会長が選定されるという流れだ。

会長の去就に関する権限を持つのもこの理事会だ。

理事会の権限について定めた31条3項には次のような文言がある。

会長、副会長、専務理事及び常務理事の選定及び解職

34条によれば、理事会が「利害関係を有する理事」、つまり森会長本人を除く過半数出席のもと決議を行い、半数以上が賛同すれば解任となる。

一方で、理事そのものを解任させる規定もある。16条1項だ。

第16条 評議員会は、次の事項について決議する。
(1) 理事、監事及び会計監査人の選任及び解任

組織委員会によると「理事を解任された場合、同時に、理事の地位を前提とした会長の地位も失います」とのことだった。つまり、16条1項による解任も適用されるということだ。この場合も必要な票数は過半数となる。

また、評議員会は以下の2つの理由から解任を決議できる。

第28条 理事又は監事が次の各号の一に該当するときは、評議員会の決議によって解任することができる。
(1) 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
(2) 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。

組織委員会によると、上記の方法に加え、森会長が自ら辞任を申し出る以外では、解任となることはない。

自民党の後藤田正純・衆議院議員が「小池都知事と橋本五輪担当大臣に権限と責任があります。2人から早く解任する発言が聞かれないのが不思議」とTwitterで指摘したが、これについても組織委員会はハフポスト日本版に対し「理事等役員の解任手続きは定款に記載の方法のみとなります」と回答。実際には解任させる権限はない。

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