三木谷浩史氏、ワクチン無しの東京オリンピック開催に懸念。「現実は、そんなに甘くない」

楽天会長の三木谷氏はTwitter上で開催の是非を問うアンケートを実施。「見送るべき」が過半数になったことを受けて、現状での開催に懸念を示しました。
三木谷浩史氏
三木谷浩史氏
時事通信社

楽天の三木谷浩史会長兼社長は2月14日、自身のTwitterで、東京五輪の開催について「ワクチンなしでは、やはりリスクがデカすぎる(大きすぎる)と思います」と指摘した。

続けて、現時点での新型コロナウイルスのワクチンの供給について「極めて(本文では「決めて」)限定的な数量だと思います。現実は、そんなに甘くないと思います」などと言及し厳しい見方を示した。

五輪開催に三木谷氏「現実は、そんなに甘くない」

三木谷氏は2月12日、自身のTwitterで行った「東京オリンピック、パラリンピックの開催の是非について」のアンケートを実施。15606票が集まった。

「今年(2021年)は見送るべき」が74.5%、「今年、実施するべき」が25.5%だった。

この結果に対し三木谷氏は14日、同じくTwitterで「ワクチン無しでは、やはりリスクがデカ過ぎるとは思います。そして自国優先の米国、欧州から予定通りには輸入できず、大幅に遅延することも想定しなければ行けないと思います」と私見をつづった

続けて、新型コロナウイルスのワクチンの供給について触れ、「決めて限定的な数量だと思います。 残念ながら。。。。国民全体に広く行き渡る量を輸入するには、まだかなりハードルがあると思っています。政府には頑張ってもらいたいところですが。。現実は、そんなに甘くないと思います。私の心配が杞憂に終わることを祈ります」とした。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、アメリカの製薬大手ファイザーが開発したワクチンが14日、厚生労働省に正式に承認された。

国内では初の承認で、17日にも医療従事者に対し先行して接種が始まる見通しで、順次、高齢者などへ接種を進めていく方針だという。

政府はファイザーと年内に7200万人分の供給を受ける契約を結んでいるが、仮にこれが全て行き渡ったとしても、その数はまだ日本の総人口約1億2500万人の57.6%に過ぎない。

すでに申請が行われているイギリスの製薬大手・アストラゼネカ製のワクチンの承認などが、今後の鍵を握る。

本格的に始まるワクチンの接種について、「五輪までに間に合うのか」「広く行き渡っていない段階での開催にはリスクがあるのでは」などと不安視する声があがっている。

厚労省の受け止めは

ハフポスト日本版は15日、厚生労働省の担当者に電話取材を行った。三木谷氏の指摘や世論の声をどう捉えているのか。

ワクチンの供給については「なるべく早く、広く国民にワクチンが行き渡るように対応を尽くしていく」とコメント。

一方で、三木谷氏の指摘などについては「厚生労働省としては、ワクチンの接種は東京オリンピック・パラリンピックの開催を目的に進めていることではありません。粛々と国民がワクチンを接種できる環境を整えていきます」とした。

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