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2021年04月07日 17時17分 JST | 更新 2021年04月07日 17時30分 JST

女性の地方議員、「ハラスメント受けた」は6割に。 立候補の障壁は?(調査結果)

4人に1人の女性地方議員が、有権者や議員などから「性的または暴力的な言葉による嫌がらせ」を受けたと回答。内閣府が調査結果を公表した。

女性の地方議会議員のうち約6割が、議員活動や選挙活動中に有権者や議員などからハラスメントを受けていたことが、内閣府の調査でわかった。

調査は、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」に対する参議院の付帯決議を踏まえて実施した。女性の政治参画への障壁などを把握することが狙いで、内閣府は7日、調査の報告書を発表した

調査は、

(1)国政選挙や地方議会選挙、首長選挙に立候補しようとしたが断念した人を対象にした調査(回答者数994人、うち女性494人、男性500人)

(2)男女の地方議会議員に対する調査(回答者数5513人、うち女性2164人、男性3243人)

の二つのアンケートから成る。いずれも2020年12月〜2021年1月に行った。

 

(1)立候補を検討したが、断念した人に対する調査

▽立候補を断念した理由

立候補を断念した理由では、男女ともに「立候補にかかる資金の不足」「仕事や家庭生活(家事・育児・介護など)のため、選挙活動とその準備にかける時間がない」「知名度がない」が上位を占めた。

一方、

「自分の力量に自信が持てない」(女性48.0%、男性38.4%)

「当選した場合、家庭生活との両立が難しい」(女性47.8%、男性38.8%)

の項目で男女差が目立った。

 

▽政治家としての活動で課題となり得るのは?

実際に議員や首長になった場合を想定し、活動する際の課題と考えるものについて、

「専門性や経験の不足」(女性63.2%、男性51.2%)

「家庭生活(家事・育児・介護等)との両立が難しい」(女性52.6%、男性36.4%)

「政治は男性が行うものだという周囲の考え」(女性49.8%、男性22.8%)

「地元で生活する上で、プライバシーが確保されない」(女性48.8%、男性33.8%)

の選択肢で特に男女の差が大きかった。

内閣府
議員活動や選挙活動で課題になり得ること

(2)男女の地方議会議員に対する調査

二つ目の調査では、男女の現職の地方議員を対象とした。

▽性差別やセクハラ被害、女性で顕著

立候補を決める段階から選挙期間中の課題について、男女で特に差が大きかったのは以下の項目。

「仕事や家庭生活のため、選挙活動とその準備にかける時間がない」(女性48.9%、男性36.5%)

「自分の力量に自信が持てない」(女性42.1%、男性18.5%)

「地元で生活する上で、プライバシーが確保されない」(女性40.4%、男性26.1%)

「当選した場合、議員活動と家庭生活の両立が難しい」(女性30.4%、男性18.5%)

「性別による差別やセクシャルハラスメントを受けた」(女性24.9%、男性0.9%)

性別役割分業の意識が背景にあることがわかるほか、女性差別や性被害の体験などが目立つ結果となった。

当選後、議員活動をする上での課題でも、

「性別による差別やセクシャルハラスメントを受けることがある」(女性34.8%、男性2.2%)

「議員活動と家庭生活との両立が難しい」(女性33.7%、男性13.7%)

「政治は男性が行うものだという周囲の考え」(女性30.6%、男性14.5%)

といった項目で男女の差が顕著だった。

 

▽ハラスメント経験、女性は約6割

調査では、ハラスメントの詳しい状況についても聞いた。

議員活動や選挙活動中に、有権者や支援者、議員などからハラスメントを受けたと回答したのは、女性57.6%、男性32.5%だった。

HuffPost Japan
男女の地方議員が受けたハラスメント行為

ハラスメントの行為別では、

「性的、もしくは暴力的な言葉(ヤジを含む)による嫌がらせ」(女性26.8%、男性8.1%)

「性別に基づく侮辱的な態度や発言」(女性23.9%、男性0.7%)

「身体的な暴力やハラスメント(殴る、触る、抱きつくなど)」(女性16.6%、男性1.6%)

「年齢、婚姻状況、出産や育児などプライベートな事柄についての批判や中傷」(女性12.2%、男性4.3%)

など、特に女性議員がハラスメントに遭いやすい実態が浮き彫りになった。

 

▽女性議員がいることの議会への影響は?

議会に女性議員がいることで、どのようなプラスの影響があるのか?良い変化を自由記述で尋ねたところ、次のような回答があった。

「防災倉庫へのミルクの備蓄や避難所のプライバシー確保など、防災・減災の取り組みに反映された」(男性30代・40代・60代、女性40代・60代・70歳以上)

「子どもの医療費無償化の拡充、防犯カメラの設置、不妊治療への補助金などが実現」(男性30代、女性60代・70歳以上)

「女性の政治や議会に対する関心が高まった」(男性60代、女性50代・60代)

一方で、女性議員がいないことによる不都合や困った点では、

「女性住民の声が反映されにくいと危惧。住民から女性議員の不在を問題視されることがある」(男性50代・60代・70歳以上)

「子育てや福祉、医療、介護などにおいて課題を掴みにくく、具体的な政策提言に反映できない」(男性60代・70歳以上)

といった意見があった。

調査を担当した内閣府男女共同参画局の古瀬陽子・推進課長は、「女性議員の割合が高い議会ほど、女性議員の存在の良い影響を実感していることがうかがえる」と述べた。

政治分野における女性の活躍を巡っては、日本は世界各国に比べて特に遅れをとっていることが指摘されている。3月に発表された「ジェンダーギャップ指数2021」では、日本は世界156カ国で政治分野は147位だった。

(國崎万智@machiruda0702/ハフポスト日本版)