窓枠に座る、網戸に寄りかかる...子どもの転落事故、春ごろから増加。足場になるものを置かないで

年齢的には3〜4歳が最も多い。4月には札幌市で3歳児の死亡事故があり、消費者庁が注意を呼びかけています。

「子どもの転落事故は春頃から増加します」

暖かくなり、窓を開けて網戸で過ごしたりベランダに出たりすることも多くなる春。消費者庁は子どもの窓やベランダからの転落事故が増え始める時期だとして注意を促している。

4月11日にも札幌市で、3歳児が3階の窓から転落して死亡する事故があった。北海道新聞によると、住宅3階の窓付近に畳んだ布団が置かれており、その上に登っていて誤って窓から落ちたとみられる。

消費者庁はこの事件に合わせて注意喚起を行なっており、子どもの転落事故の特徴として、

3~4歳の転落事故が最も多い

2階からの転落でも入院が必要な中等症と診断されている事例が多い

窓が開いた部屋で子どもだけで遊んでいて発生する事例が多い

などを挙げている。

「窓枠に座る・網戸に寄りかかる」が最多

子どもの建物からの転落死亡事故の時期別の件数(厚生労働省「人口動態調査」)
子どもの建物からの転落死亡事故の時期別の件数(厚生労働省「人口動態調査」)
消費者庁のまとめより

消費者庁のまとめによると、厚生労働省「人口動態調査」(2014〜2018年)で9歳以下の子どもの建物からの転落死亡事故のうち、時期が分かっている36件中「7〜8月」が13件で最多。「5〜6月」が9件で2番目に多かった。春から増え始め、夏に多くなっていることがわかる。

東京消防庁「救急搬送データ」(2015〜2019年)でも、5歳以下の子どもが住居などの窓やベランダから転落して救急搬送される事故は、「9月~10月」が最も多く21件、次に「5月~6月」が19件と、初夏と秋に多いことが分かっている。

転落事故は3~4歳で多く発生しており、窓からの転落が多いものの、死亡事故はベランダからの転落が多いという。

子どもの転落事故発生時の状況
子どもの転落事故発生時の状況
消費者庁のまとめより

また、 「医療機関ネットワーク事業」のデータによると、事故は子どもだけで遊んでいる時に起こることが多く、状況は「窓枠に座る・網戸に寄りかかる」、家具、ダンボール、台などの「足場に登る」の順で多かった。

保護者が在宅していても、別の階で過ごしている際に事故が起きる例もあった。

こうしたことから、消費者庁は「子どもから一瞬たりとも目を離さないことはできず、限界があります」とし、以下のように対策を呼びかけている。

・窓やベランダの手すり付近に足場になるようなものを置かない(エアコン室外機の置き場所は特に注意)

・窓、網戸、ベランダの手すり等に劣化がないかを定期的に点検する

・窓を閉めていても、子どもが勝手に窓を開けないよう、窓や網戸には、 子どもの手の届かない位置に補助錠を付ける(換気をする際も同様)

・子どもだけを家に残して外出しない

・窓を開けた部屋やベランダでは子どもだけで遊ばせない

・窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせない

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