木村花さんへの中傷、男性に約129万円の賠償命令。関連する民事訴訟で初判決、男性は欠席

男性から反論は出ず、答弁書の提出もなかった。原告である響子さんの主張が認められ、男性に賠償命令が下った。

恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していた木村花さんが亡くなった後、Twitterで花さんを中傷する投稿をしたとして、花さんの母・木村響子さんが長野県の男性に対し約294万円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決が、5月19日に東京地裁(池原桃子裁判長)であった。池原裁判長は男性に慰謝料など129万2000円の支払いを命じた。

男性から反論は出ず、答弁書の提出もなかった。口頭弁論などにも出席せず4月21日に結審していた。

判決文によると、東京地裁は響子さんに生じた精神的苦痛に対する慰謝料について、50万円と算定。弁護士費用は5万円と算定し、さらにTwitter社などに対する開示請求訴訟で要した74万2000円を合算し、計129万2000円の支払いを命じた。

死去後に中傷ツイート

訴状によると、男性は花さんが2020年5月に亡くなった後、「あんたの死でみんな幸せになったよ、ありがとう」「テラハ楽しみにしていたのにお前の自殺のせいで中止。最後まで迷惑かけて何様?地獄に落ちなよ」とTwitterに投稿した。

響子さん側は、ツイートが「極めて強い調子で故木村花氏の行動を批判するものである」と指摘。投稿は花さんに対する侮辱的表現として、社会通念上許容される限度を超えており、遺族である響子さんの「敬愛追慕(けいあいついぼ)の情」を侵害しているとして、不法行為に該当すると主張。男性に対し、慰謝料など約294万円の支払いを求めていた。

投稿者はTwitter社やプロバイダーへの情報開示請求で特定した。

木村花さん
木村花さん
Etsuo Hara via Getty Images

「ネットリンチが日常茶飯事になっている」

花さんの母・響子さんは、自身への中傷も含め、ネット上の誹謗中傷をめぐって複数の民事裁判を進めている。

その理由について、「裁判を通して一つでも多くの事例を残すことで、こういうことが誹謗中傷になるんだと、SNSで書き込みをする人の考えるきっかけになってほしいと思っています」述べており、誹謗中傷の被害をなくすための取り組みを行うNPO法人の設立も予定している。

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