皆既月食、月が赤くなるのはなぜ? わかりやすく解説

見逃せない、「スーパームーン」での皆既月食。月が赤く見える仕組みを解説します。
皆既月食のイメージ写真
皆既月食のイメージ写真
R@jesh 2020 / 500px via Getty Images

5月26日(水)の夜は、日本全国で「皆既月食」が約3年ぶりに見られます。

国立天文台によると、月は午後6時45分から欠け始め、午後8時9分から午後8時28分までのおよそ19分間にわたり、皆既月食が起こります。食の最大は午後8時18分頃。皆既食中は「赤銅(しゃくどう)色」と呼ばれる、赤黒い満月が見られます。

なぜ、月が赤黒く見えるのでしょうか?

月が赤黒くなる理由

国立天文台ウェザーニュースが、その仕組みを解説しています。

地球と月は自ら光っているわけではなく、太陽の光を反射することで、光り輝いています。

そして、太陽の光を受けてできた地球の影は、太陽と反対方向に伸びています。

この地球の影の中に月が入ることによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりします。この現象が「月食」です。

月食の起こる仕組み
月食の起こる仕組み
国立天文台の公式サイトより

では、なぜ皆既月食が起きると月が赤黒く見えるのでしょうか?

ウェザーニュースによると、太陽の光は、赤や青など色(波長)の異なるさまざまな光を含んでいます。

そして、太陽の光が地球の周りの大気の中を通過する時、青い光は波長が短いために光が散乱されてしまい、大気をほとんど通ることができません。

一方で、赤い光は波長が長く、光が散乱されにくいため、光は弱められながらも大気を通過することが可能です。

そして、この赤い光は大気中で屈折され、地球の影の中に入り込みます。

この赤い光が皆既食中の月を照らすことで、月が赤黒く見えます。

朝日や夕日も、こういった理由で赤く見えるのです。

皆既食中の月が赤く見える理由
皆既食中の月が赤く見える理由
国立天文台の公式サイトより

スーパームーンの皆既月食は24年ぶり

国立天文台によると、5月26日の満月は、2021年で地球に最も接近する満月で、いわゆる「スーパームーン」

日本で見られる「スーパームーン」の皆既月食は、1997年9月以来約24年ぶり。観察には、南東方向に開けた、見晴らしの良い場所が適切です

国立天文台の公式YouTubeチャンネルでは、26日午後6時頃から三鷹キャンパスからライブ配信も行われます。

数年に一度の貴重なチャンス。月食の時間は短いため、見逃さないようにしましょう。

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