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2021年06月05日 16時00分 JST

地雷撤去で大活躍、「英雄ネズミ」が引退へ。人間が数日かかる作業を30分で終える速さ...!

5年間の活動でサッカー場31個分にあたる22万5000平方メートルを捜索し、計71個の地雷と38発の不発弾を見つけた。

朝日新聞社
金メダルを首からかける「英雄ネズミ」のマガワ=APOPO提供

英雄ネズミのマガワ引退へ カンボジアの地雷撤去で活躍

 カンボジアの地雷撤去に貢献したとして英国の動物団体から金メダルを授与されたアフリカオニネズミの「マガワ」が6月末で引退することになった。所属するベルギーの団体が3日、発表した。活動開始から5年を迎え、年老いて動きが遅くなったためだという。

 カンボジアでは1970年代の内戦期以降に最大600万個の地雷が仕掛けられたとされる。

 同国ではベルギーの市民団体APOPOが、嗅覚(きゅうかく)の鋭いネズミを「英雄ネズミ」として訓練し、地雷撤去に生かしてきた。地雷を爆発させずに動き回れる重さで、爆発物に含まれる化学物質のにおいをかぎ分けられるため、人間であれば最長4日かかるテニスコートほどの範囲の地雷捜索を約30分で終えられる。金属探知機と違って金属の破片に反応せず、地雷を見つけると、地面をひっかいて人間に知らせてくれる。

 マガワは14年11月、アフリカ南東部のタンザニア生まれで体重は1・2キロ、体長は70センチ。16年からカンボジア北西部のシェムリアップに派遣された。5年間の活動でサッカー場31個分にあたる22万5千平方メートルを捜索し、計71個の地雷と38発の不発弾を見つけた。

 並外れた成果を上げたことから、昨年9月には、約80年の歴史がある英国の動物保護団体からネズミとして初めて表彰された。小さな金メダルを首からぶら下げた姿は、米紙ニューヨーク・タイムズや英BBCなど世界中のメディアで報道された。

 マガワは今後数週間、「指導役」として5月下旬に到着したばかりの新人のネズミたち20匹と一緒に地雷撤去を続ける。飼育を担当していたマレンさんはAPOPOの公式サイトで「彼は小さいけれど、これまでにたくさんの命を救ってきた。一緒に働けなくなると寂しくなる」と話している。(ハノイ=宋光祐)

(朝日新聞デジタル 2021年06月05日 13時58分)

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