「スポーツ界も気候変動と無縁ではいられない」Jリーグと環境省がタッグを組んで対策へ。

40都道府県に57のクラブチームを持ち、それぞれが地域に密着した活動を行なっているJリーグ。環境省と一緒に環境問題に取り組んでいく。
環境省とJリーグの連携協定締結イベントに出席した小泉進次郎環境相(左)と村井満チェアマン=28日午後、東京都文京区
環境省とJリーグの連携協定締結イベントに出席した小泉進次郎環境相(左)と村井満チェアマン=28日午後、東京都文京区
時事通信

2021年6月28日、環境省とJリーグ(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)は気候変動対策などに取り組む協定を締結した

今回締結した連携協定に基づき、以下のアクションを日本各地で展開していく。

1.SDGsの観点での地域の活力を最大限発揮するため、地域社会を構成する行政、企業、金融機関、市民団体、大学・学校、サポーター、J クラブなどのステークホルダーが一体となった取組を実現するための環境整備と情報発信・コミュニケーションの推進

2.脱炭素社会(カーボンニュートラル)、循環経済(サーキュラーエコノミー)、分散型社会への移行を進めるための知見の共有や普及活動・行動変容を促す活動での協力(例えば、各種取組の効果や価値の見える化、地域での更なる活動推進、地域循環共生圏の構築、スタジアムやゲーム運営でのサステナビリティ向上、J リーグや J クラブが持つ潜在的な魅力の発掘など)

3.ホームタウンの地域資源を最大限活かした地産地消の取組の推進

4.環境省とJリーグが持つ様々なチャネルを共有する連携の強化

5.共通のゴールを実現するための更なるアクションを展開するための継続的な協議

今後、具体的なプロジェクトの実施に結びつけていくとしている。

環境省は、SDGsに取り組むにあたり、どのようにスポーツ界を巻き込んでいきたいと考えているのか。担当者に聞いてみた。

「スポーツが好きな人たちの中で環境に関心がなかった人にも、これを機に気候変動について関心を持ってもらいたい。これまで声が届かなかった人たちに、広めていきたい」

また、スポーツ界が環境問題と無縁ではいられないほど、気候危機が迫っている現状もある。

「例えば、試合をするにあたり夏の気温上昇や降雪など、これまで出来ていたことも、これからさらに気候変動が進む中では考えないといけないシーンも出てくると思っています。そういう意味でも、ぜひスポーツ界も気候変動対策に乗り出していただきたい」

スポーツ界もSDGsの取り組みを強化

Jリーグは、開幕25周年の2018年に社会連携活動「シャレン!」を発足。40都道府県に57のクラブチームを持ち、それぞれが地域に密着した活動を行なっている。

その特徴を活かし、「シャレン!」では、社会課題や共通のテーマ (教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など)に対して、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などと連携して、特に最近ではSDGsに取り組んでいる。

こうした動きは、サッカーだけではない。バスケットの川崎ブレイブサンダースも、ホームゲームを通じて、すべての人の「健康」と「働きがい」の機会を提供し、川崎をより「住んで幸せな街」にするプロジェクト「&ONE」に取り組んでいる。

様々な組織、団体が連携して取り組むこと自体、「パートナーシップで目標を達成しよう」としてSDGsの17番目の目標となっている。

SDGs17の目標
SDGs17の目標
ハフポスト日本版

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