マダニから身を守るポイントは?知っておきたい基礎知識

春から秋にかけて活動が盛んになるマダニ。今の時期だからこそ知っておきたい、マダニに関する基礎知識をまとめました。
マダニの一生
マダニの一生
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みなさんはマダニという名前を耳のしたことはあるでしょう。しかし、マダニについて何を知っているかと言われればほとんどの人がまともに答えられないのではないでしょうか。

マダニは身近なところにいる!

日本にはヤマトマダニ、フタトゲチマダニ、キチマダニ、シュルツェマダニなど約40種類のマダニが生息しているといわれています。マダニは春から秋にかけて活動が盛んになり、草むら、やぶなどで生息。実は民家の裏山、裏庭、畑、あぜ道で主に地上1mくらいの植物の葉陰に潜んで、人間や動物が近づくのをじっと待っているのです。

特に犬の散歩中に咬まれることが報告されています。この時季、散歩後は愛犬の耳の裏などをよく観察してください。散歩の後はブラッシングをしてマダニが付いていないか注意しましょう。

もちろん人間も要チェックです。山歩きや畑仕事から帰ってきたら、玄関で全身のチェックをし、風呂場で何か小さな塊がついていないか全身をくまなく調べることです。ゴルフ場で咬まれたケースも報告されています。衣服の上からホコリをとる要領でガムテープを用いるのも有効です。

マダニから身を守る方法

山歩き、犬の散歩、庭仕事や農作業などで草むらや樹木の繁った場所へ出かける時は、首周りをタオルなどでおおう、エプロンなどの重ね着でブロック、手袋、ズボンのすそを靴に入れ込む、帽子をかぶる、長袖を着用、衣服は毛羽立ちのある素材を避け、肌を露出させないように心がけることです。

マダニ咬まれたら

マダニに咬まれた時に注意したい3つのポイント
マダニに咬まれた時に注意したい3つのポイント
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もし、マダニに咬まれたときは、マダニ(1mm~5mmのマダニが血を吸うと10mmくらいにふくらむ)をはがさずそのまま医療機関へ直行してください(自分ではがしてしまうと虫体の一部が残ってしまい、炎症や病気を発症する原因になる)。

マダニは咬んだ時点で人間の神経を局所麻酔するような物質を体内に送り込むため自覚症状はありません。2~3日すると掻痒感、灼熱感、軽度の痛みを感じるか、あるいは1週間しても気づかない場合もあります。

マダニが媒介するウィルス感染SFTS (重症熱性血小板減少症候群) の潜伏期間は6日~2週間。マダニによるとみられるSFTSは、2013年に初めて患者が報告され、現在も有効な治療法は見つかっていません。

しかし、対処法としては咬まれやすい部位 (肌の柔らかい部分) を衣服や手袋などで覆うだけでいいのです (虫よけ剤も併用するとなお可) 。SFTSのほかにもマダニが媒介する日本紅斑熱 (リケッチア) 、ライム病などが知られています。

マダニに咬まれたときに重要なのは、冷静に行動することです。ついマダニを手で払ったり患部を指で押さえたりしがちですが、くれぐれも自己流の処置を控え、迅速に医師の診断をあおぐようにしましょう。

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