大坂なおみさん、自己肯定感の低さについて綴る。「自分を不十分な人間だと思っている」

「私は自分に対して『よくやった』と思ったことがなく、いつも『私はダメだ』とか、『もっとうまくできたはずだ』と思ってしまいます」
大坂なおみさん
大坂なおみさん
USA TODAY USPW via Reuters

メンタルヘルスの問題を抱えていることを告白したテニス選手の大坂なおみさんが8月30日、自身のSNSを更新し、これまでの1年を振り返り心境をつづった。「私は心の中で、自分のことを不十分な人間だと思っている」と自己肯定感が低いことを明かし、自分を褒めるなど、「セルフケア」の大切さについて言及。メッセージに大きな反響が寄せられている。

「私は自分自身をとても卑下している」

大坂さんは5月に開幕した全仏オープンで、自身のメンタルヘルスを守るために記者会見に応じることを拒否し、その後同大会を棄権。長い間うつ状態に苦しめられてきたことを明かし、6月の全英オープン(ウィンブルドン選手権)も欠場した。

8月30日開幕の全米オープンに出場し、四大大会に復帰する大坂さん。開幕を前にSNSに長文のメモを投稿し、自身の胸中について明かした。

「この1年間を振り返ってみました」と書き出した大坂さん。「類まれのないサポートをしてくださる周りの人々にとても感謝しています」とした上で、「最近、なぜ私はこんな気持ちになるのか自問自答していたのですが、私が心の中で、自分のことを不十分な人間だと思っているからだと気づきました」とつづった。

そして、「私は自分に対して『よくやった』と思ったことがなく、いつも『私はダメだ』とか、『もっとうまくできたはずだ』と思ってしまいます。これまで人から謙虚だと言われたこともありますが、私は自分のことをとても卑下しているのだと思います」と、自分に自信を持てないことを明かした。

「あなたの人生はあなた自身のもの」「朝起きられたら、それだけで勝ち」

大坂さんは若い世代のトップアスリートとして、常に注目を浴びてきた。7月の東京オリンピックの開会式では、最終聖火ランナーという大役も務めた。

しかし大坂さんは、新しい機会を得るたびに、「なぜ私なんかに?」と思ってしまうのだという。

「私は自分のことや自分の功績を、もっと褒めたたえてあげるようにしたい。私だけじゃなく、みんながそうするべきだと思います」と思いをつづり、「あなたの人生はあなた自身のものであり、他の人の基準で自分の価値を決める必要はないのです」と、力強いメッセージを送った。

そして、「私はできる限りのことをするよう尽くしてきましたが、それが不十分だったら申し訳ないと思います」とした上で、「でも、期待に応えなくてはと自分自身を追い込むのはもうやめようと思います」とも表明。

「世の中で起きていることを見ていて感じるのは、朝起きられたら、それだけで勝ちなのだということです」とつづり、「それが今の私の気持ちです」と締めくくった。

自身の内面を吐露し、セルフケアの大切さについてつづった大坂さんのメッセージは、大きな反響を呼んでいる。

大坂さんのメッセージ全文の訳は以下の通り。

こんにちは。この1年間を振り返ってみました。類まれのないサポートをしてくださる周りの人々にとても感謝しています。最近、なぜ私はこんな気持ちになるのか自問自答していたのですが、私が心の中で、自分のことを不十分な人間だと思っているからだと気づきました。

私は自分に対して『よくやった』と思ったことがなく、いつも『私はダメだ』とか、『もっとうまくできたはずだ』と思ってしまいます。これまで人から謙虚だと言われたこともありますが、私は自分のことをとても卑下しているのだと思います。

新しい機会をいただくたび、私が最初に考えることは、「わあ、なぜ私なんかに?」ということです。私が言いたいのは、つまり、私は自分のことや自分の功績をもっと褒めたたえてあげるようにしたい。私だけじゃなく、みんながそうするべきだと思う、ということです。

朝ちゃんと起きて、何かを先延ばしにしませんでしたか? それだけであなたはチャンピオンです。しばらくの間悩まされてきた問題で、何か解決策が見つかりましたか? あなたは最高です。

あなたの人生はあなた自身のものであり、他の人の基準で自分の価値を決める必要はないのです。

私はできる限りのことをするよう尽くしてきましたが、それが不十分だったら申し訳ないと思います。でも、期待に応えなくてはと自分自身を追い込むのはもうやめようと思います。

世の中で起きていることを見ていて感じるのは、朝起きられたら、それだけで勝ちなのだということです。それが今の私の気持ちです。

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