野田聖子氏「女性閣僚を半分に」。選択的夫婦別姓は「30年も議論」と決断迫る【自民党総裁選】

4人が立候補した総裁選は、少子化対策をライフワークとする野田氏が「女性の社会進出」を訴えています。

自民党総裁選(9月29日投開票)に立候補した4人のなかで、野田聖子幹事長代行が異彩を放っている。

自身が首相になったら「女性閣僚を半分にする」と宣言し、選択的夫婦別姓制度では導入に慎重な他候補もいる中で「議論は30年くらいやっている」と苦言を呈した。森友学園をめぐる公文書改ざん問題でも、ただ一人再調査を主張している。

自民党総裁選に立候補し、所見発表演説をする野田聖子幹事長代行=2021年9月17日、東京・永田町の党本部
自民党総裁選に立候補し、所見発表演説をする野田聖子幹事長代行=2021年9月17日、東京・永田町の党本部
時事

パラダイムシフト起こすのが私の使命

党内基盤が弱い野田氏は推薦人集めが難航し、河野太郎・規制改革担当大臣、岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務大臣を含む4人のなかで、出馬表明が最後となった。

告示日の17日に開かれた演説会では、人口減少を「国家の危機」と位置づけ、「子どもの支援の司令塔として『子ども庁』を設立し、教育、保育、貧困問題の解消など、子どもへの投資を積極的に行う」と訴えた。

さらに「女性の社会進出」の重要性を指摘。まずは政治から変えるとして、「野田内閣の女性閣僚は、全体の半分になるように目指していく。実は既に、意中の人たちのリストは私の心のなかにある」と語ると、会場からどよめきが起きた。

同日、4人で出演したフジテレビの報道番組でも、野田氏は「私は当選2回で郵政大臣をやった。失敗はしなかった。女性をどんどん出すことで、女性が普通に仕事ができるところを見せていかなければいけない。5割くらい女性(閣僚)は出せると思っている。そこでパラダイムシフトを起こしていかなければいけない。それが私の使命です」と語った。

クオータ制・選択的夫婦別姓も推進

自民党の女性議員を一定比率に高める「クオータ制」導入にも積極的で、野田氏は「自民党においては、候補者を選定する段階で男の人しかいない。空いたところ(選挙区)があっても、女性が候補になれない。女性候補者を半分にすることは、国民は半分女性なので、政策のバランスをとるためには必要だ」と語った。

選択的夫婦別姓制度については、同番組で岸田文雄氏が「もう少し国民が問題点を理解しているか確認したうえで進めるべきだ」と慎重な姿勢を示した。これに対し、野田氏は「議論は30年くらいやっている。これから結婚をのぞむ人たちは、過半数が選択的夫婦別姓を進めたいという世論調査も出ている」と反論。「若い人に委ねるという意味で、私たちは党議拘束を外して採決にのぞむべきだ」と決断を迫った。

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