男女分けないおもちゃコーナーを。大手小売店に義務付ける法律成立 カリフォルニア州

子ども向け商品の「ジェンダーバイアス」に対処することを目的とした法律。違反した場合は罰金が科される。
カリフォルニア州では今後、おもちゃ売り場の装いが変わりそうだ(イメージ写真)
カリフォルニア州では今後、おもちゃ売り場の装いが変わりそうだ(イメージ写真)
Isabel Pavia via Getty Images

おもちゃや育児用品を、男女で分けずに陳列するコーナーを設けることを大手の小売店に義務付ける法律が、アメリカ・カリフォルニア州で成立した。BBCによると、同国で初の法律となる。

新法は、子ども向け商品の「ジェンダーバイアス」に対処することを目的としている。男女別のコーナーを設置すること自体を禁止するものではないが、性別で区別しない一角を設けなければいけないとしている。

対象は、500人以上の従業員がいる州内の大規模小売店。初回の違反には250ドル(約2万8000円)の罰金、それ以降は500ドル(約5万7000円)の罰金が科される。2024年に施行される見通しだ。

子どもの素朴な疑問で動いた

ロサンゼルス・タイムズによると、法案を提出した民主党のエヴァン・ロー議員は、スタッフの幼い娘が、母親に「どうして男の子のコーナーに行かないと、(ほしい)おもちゃが見つからないの」と尋ねたという話を聞いたことが、法案作成のきっかけになったという。

ロー議員は、「女の子がパトカーや消防車、周期表、恐竜のおもちゃなどを見つけられるようにすることが目的のひとつです」と明かす。「同じように、あなたが男の子で、芸術的な感性を持っていて、キラキラしたもので遊びたいと思った時、なぜそうしてはいけないのでしょうか?なぜスティグマを感じ、『ああ、これは恥ずかしいこと』と言って、別の場所に行かなければならないのでしょうか」と問題提起している。

「私は州としてダイバーシティとインクルージョンの価値を示すことが重要だと考えています」(ロー議員)

BBCによると、アメリカの小売業者の中には、ビジネスにおけるジェンダーの固定観念から脱却するための措置をすでに取っている企業もある。

ディスカウントストア大手のTarget社は2015年、店内においてジェンダーに基づく表示の一部の使用を止めることを発表している。

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