「立憲民主党」党名変更するつもりはある?立候補した4人の答えは…【立憲代表選】

日本記者クラブでの討論会で、「『立民』という言葉が若い人にはわかりにくい。党名変更する気はないのか」という質問が飛んだ。
(左から)泉健太、小川淳也、逢坂誠二、西村智奈美の4氏=11月21日、札幌市
(左から)泉健太、小川淳也、逢坂誠二、西村智奈美の4氏=11月21日、札幌市
時事通信社

枝野幸男前代表の後任を決める立憲民主党の代表選(11月19日告示、30日投開票)で、論戦が続いている。

11月22日には、日本記者クラブで討論会が開かれ、立候補している逢坂誠二・元首相補佐官(62)、小川淳也・国会対策副委員長(50)、泉健太・政務調査会長(47)、西村智奈美・元厚生労働副大臣(54)の4人が議論を交わした。

討論会では、各候補の目指す社会像や経済政策、憲法論議や安全保障政策、野党共闘のあり方などについて議論された。

1時間半に及ぶ討論会の最後に飛んだのは、こんな2つの問いだった。

「代表になったら、まず参院選までに何をやる?」

「(立憲民主党の略称としてメディアなどで使われている)『立民』という言葉が若い人にはわかりにくい。党名変更する気はありませんか」

4人の候補は何と答えた?

逢坂氏「とにかくコロナ対策を」「略称は『立憲』の方が好き」

「参議院の選挙対策本部を早急に立ち上げるということが1つ。もう1つは、党の仲間が全国に出向いていって車座集会をですね、細かくやるということを指示をしたいと思っています。ただ、国民生活の現状を考えるとコロナ対策、これは早急にやらなきゃいけない。個人の生活も事業も相当疲弊しています。それから第6波に備えた対応、対策もやっておく必要がある。党のこともいろいろありますけれども、とにかくコロナ対策だと私は思っています」

「党の名前については立憲民主党という党の名前は私は変える必要がないと思っておりますが、略称については、個人的なことを言うとですね、私は『立憲』の方が好きですね」

小川氏「党員・有権者と対話に対話を重ねる」「党名は直ちに変えるつもりはない」

「直ちに参議院選挙対策本部を立ち上げ、対策を始めます。どうしてもやりたいことがありまして、とにかく全国津々浦々出かけて行って党員の皆様はもちろんなんですが、場合によってはオブザーバーとして一般有権者に入っていただきたいと思ってます。そこで、対話に対話を重ねて、徹底して対話をして、これは私達の公約だと思っていただけるようなものを作り上げたい。その中には短期的な財政出動による経済と暮らしの支えもあるでしょうし、長期的に持続可能性を回復していくためには、どうすればいいのか。これは社会保障やエネルギー、環境も含めて、そうしたトータルの将来につながるビジョン、これを国民と一緒に私達の公約だと思っていただけるようなものを作っていきたい」

「党名は直ちに変えるつもりはありません」

泉氏「執行部ができた場合には、執行役員の半数を女性に」「基本的には『立憲』という呼び方で」

「1つは参議院総合選対本部の年内設置。そして、衆議院(選挙)の一次公認の年内の実施。もう一つは、泉健太執行部ができた場合には、執行役員の半数を女性にする。4つ目は地域組織の強化をする。地域の活動を活発化させることによって、地域課題に応え、議員を増やしていく」

「党名については、『立民』という呼び方と、『立憲』という呼び方が両方出てきてしまっていると思いますので、基本的には党としては『立憲』という呼び方で皆様に訴えをしていきたい」

西村氏「次期総選挙に向けて早期に公認内定を」「立憲民主党という名称は変える必要はない」

「党運営では今回(の衆院選で)、大変有為な方々が落選をしておられるので、そういった方々が今後また立憲民主党と一緒にやっていこうという気持ちになっていただけるようにヒアリングをし、次の総選挙に向けての公認内定も早期に行って、支援を行っていきたい。そして、参議院選挙、1人区をどうやって戦っていけるか、ここはしっかりと私自身も先頭に立って協議をさせていただきたい」

「『立民』という名前ですけれども…どうでしょうか。党内にもいろいろ聞いてみたいと思いますが、『立憲』という言葉も受け入れてもらえるのかどうか、そこは皆さんから意見を聞きながら検討したいと思っております。あの、ただ、立憲民主党という名称は私は変える必要はないと思います」

候補者4人が目指す社会像は?

討論会では各候補が目指す社会像についても問われた。

逢坂氏は「私が子どもの頃は明日になれば今日よりも良くなるという希望の持てる社会だった。ところが今の日本社会を見ると残念ながらそういう希望が特に若い人たちにとって持てる社会にはなっていない」と語り、「『人への投資』で『希望と安心』のある社会」を掲げた。

小川氏は「対話型の政治が創る持続可能な社会」を掲げた。「昭和の右肩上がりを前提に様々な社会の仕組みがつくられてきた」とし、「平成に入って人口が減少に転じ、高齢化が進み、様々な前提が変わっている」「にも関わらず、社会は自己責任、自助努力型のまま放置されている。こうした構造問題に本格的に取り組みたい」と訴えた。

泉氏は「普通の安心が得られる社会」を掲げ、「庶民が元気な社会だ」と説明。「権力者が元気な国ではなく、庶民が元気な国にしていく」と訴えた。「公正な政治行政」も掲げ、「立憲民主党は庶民の正義、理不尽なことを許さないという思いを国政、地域行政の中で反映させていく政党だ。『正義、公正、普通の安心』をキーワードにしたい」と述べた。

西村氏は「多様性を力に 理不尽を許さない社会」を掲げた。新型コロナの感染拡大で生活困難に直面した方や適切な医療を受けられずに亡くなった方がいるとした上で、入管行政についても言及。「日本に憧れて来た外国人技能実習生、ウィシュマさんの命を落としてしまうということになってしまった。こういった理不尽を解決していき、多様な声を生かしていきたい」

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