一夫一婦制で知られるアホウドリ、気候変動で「離婚率が上昇」との研究結果。一体どういうこと?

海水温が異常に高かった年には、ペアが別れて新たなパートナーを見つける割合が1〜3%から8%まで上昇したという。
マユグロアホウドリ
マユグロアホウドリ
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海水温の上昇に伴い、アホウドリの繁殖ペアの「離婚率」が高まっている可能性があることが、新たな研究で明らかになった。

「一夫一婦制」として知られるマユグロアホウドリ。イギリスのガーディアン紙によると、マユグロアホウドリのペアが別れて新しい相手を見つける確率は通常、1%から3%に過ぎないという。

だが、フォークランド諸島で15年間にわたって1万5000組以上のアホウドリのペアに関するデータを分析した研究者たちによると、海水温が異常に高かった年には、その割合が8%に上昇したという。この研究結果は、英国王立協会の学術雑誌に掲載された

アホウドリのペアは繁殖期に失敗すると、通常はメスが新しい相手を見つけて元のパートナーと別れることが知られていた。しかし研究者たちは、異常に暖かい年には、繁殖に成功したペアでも離婚率が上がったことを発見した。

原因は餌不足とストレスか

なぜ海水温の上昇が、アホウドリたちにこのような影響を及ぼすのか?

ひとつには、食物連鎖の基礎となる海中の植物プランクトンの量が減ることが挙げられる。科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』が指摘するように、植物プランクトンの不足は食物連鎖に影響を及ぼし、アホウドリは十分な餌を見つけるためにより遠くまで飛び、より懸命に働かなければならなくなる。

今回の研究の共同執筆者であるリスボン大学のフランチェスコ・ヴェンチュラ氏は、気温の上昇や餌の確保のための過酷な環境は鳥たちのストレスレベルを高め、多かれ少なかれ自らの“不幸”をパートナーのせいにする可能性があると分析している

「メスが生理的なストレスを感じ、そのストレスレベルの高さをオスのパフォーマンスの低さのせいにしているのではないか。これが私たちの提唱するパートナー非難仮説です」(ヴェンチュラ氏)

11月初めには、人為的な気候変動が鳥類に影響を与えている可能性を示唆する別の研究結果が発表された。その研究によると、アマゾンの熱帯雨林に生息する鳥類で、気温が高くなるにつれて体が小さくなる変化が見られたという。

(この記事は、ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました)

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