前を走る救急車にいら立つ人へ、消防本部が動画で伝えたかったこと「車内はとにかく揺れます」

傷病者の負担を減らすため、「運転手は手に汗を感じながらハンドルを握っている」として、全てのドライバーに理解と協力を呼びかけています。

「緊急走行中の救急車が遅くてイライラ...そんな経験はありませんか?」

車を運転する全てのドライバーや同乗者に向け、静岡県内の消防本部が作成した動画がネット上で話題を呼んでいます。

動画は、同県袋井市と森町を管轄する「袋井消防本部」が作成し、TwitterやInstagramなどで公開しました。ツイートでは、傷病者を運んでいる時の救急車内の様子について、次のようにつづりました。

【緊急走行中の救急車の車内では…】

緊急走行中の救急車が遅くてイライラ… そんな経験はありませんか? 車内では傷病者の負担を減らすため運転手は救急車を揺らさないよう、手に汗を感じながらハンドルを握り道路の凹凸や車にも注意しながらペダルを踏んでいます。 ご理解ご協力お願いします。

40秒ほどの動画では、「救急車はとにかく揺れます」として、車内と車外の映像を並べています。スピードが出ている場合、車内のストレッチャーに横たわる人が跳ね上がるほど激しい振動が伝わっていることがわかります。

電気ショック、気管挿管、止血、アドレナリン投与...。傷病者の命を守るため、救急車内では慎重を要する様々な緊急処置が行われています。

特に「揺らしてはいけない症状」として、くも膜下出血や脳出血、骨折などを列挙。救急車の運転手は、「手に汗を感じながら」注意深く運転していることを強調し、理解と協力を呼びかけています。

袋井消防本部によると、遅いスピードでの運転に対して直接指摘を受けることはほとんどないといいます。一方で、「もっと速く走ってくれないか」と感じるドライバーもいるのではと考え、理解を求めるために動画を公開したといいます。

同消防本部は「道路に段差がある場合は、注意しないと大きく揺れてしまいます。速度調節を意識し、傷病者を安全に運ぶため最大限に配慮しているという車内の状況を多くの人に知ってもらえたらうれしいです」と話しています。

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