電力需給ひっ迫警報とは?1都8県が対象。節電のポイント、家庭や職場などで私たちが出来ること

あまり聞き慣れない「電力需給ひっ迫警報」。3月16日の福島県沖の地震の影響を受けたものです。
東京の夜景
東京の夜景
Getty Images

経済産業省は3月21日、東京電力の管内で22日の電力需給が極めて厳しい状況にあるとして、政府として初めて「電力需給ひっ迫警報」を発表した。

東京都を含む1都8県が対象となる。3月16日の福島県沖地震の影響で、広野火力発電所など複数の発電所が停止していることが原因。節電への協力が呼びかけられている。聞き慣れない「電力需給ひっ迫警報」とは何か。

「電力需給ひっ迫警報」とは

資源エネルギー庁の説明によると、「電力需給ひっ迫警報」は国民各層の節電への協力にもかかわらず、急激な気温変化や大型発電所の計画外停止等により、電力需給がひっ迫する可能性がある場合に政府があらかじめひっ迫が想定される特定の電力会社管内に発令するもの。

政府は21日、連休明けの22日は特に東日本で気温が低く悪天候が予想されているため、特に東京電力管内で電力需給が極めて厳しくなる見込みだとして、家庭や職場などで不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度とするなどの節電を心がけるよう協力を呼びかけた。

また、東京電力パワーグリット株式会社は公式Twitterで「電力の安定供給を維持すべく努めていますが、22日の電力需給は極めて厳しい見通しであり、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できない見通しです」と投稿し、政府と同様に節電を呼びかけた。

東京電力への節電協力で電飾看板などが消灯された渋谷のスクランブル交差点付近(東京・渋谷区、2011年3月16日)
東京電力への節電協力で電飾看板などが消灯された渋谷のスクランブル交差点付近(東京・渋谷区、2011年3月16日)
時事通信社

NHKによると、萩生田光一経済産業大臣は閣議後の記者会見で「本日(22日)の電力需給の動向次第ではさらなる節電の協力をお願いする可能性もある」と話したという。

期間と対象地域は?

この度の「電力需給ひっ迫警報」の対象となる期間は、NHKなどによると、22日午前8時から午後11時まで。対象の地域は東京電力管内で、以下の通りとなっている。

茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県(富士川以東)

この1都8県は16日から17日にかけて、地震の影響で大規模な停電が発生していた。

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【Update:2022/03/22 午後3時15分】
TBSNEWSなどによると、萩生田経済産業担当大臣は22日午後2時過ぎの緊急会見で「このままでは、ブラックアウトを避けるために広範囲で停電せざるを得ない状況が近づいている」と述べ、国民に向けて一層の節電に協力するよう呼びかけた。

【Update:2022/03/22 午後6時20分】
東京電力パワーグリッドは午後3時過ぎ、公式Twitterを更新。電力需給が極めて厳しくなっているとした上で、「このままの状況が続くと、本日の夜8時以降に約500万kW(200万~300万軒規模)の停電が発生するおそれがあります」とし、更なる節電を呼びかけた。

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