中国福建省廈門(アモイ)市では魚やカニなどの漁獲物に対してもPCR検査が実施されていて、その様子が現地で話題になっている。
中国メディアなどが報道した動画では、白い防護服に身を包んだ担当者が綿棒状の器具で魚の口をこじあけ、内部を繰り返し擦っている。カニの表面を擦るような場面もある。
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アモイ市の一部地域では漁業関係者に毎日のPCR検査を義務付けているが、それに加えて漁獲物への検査も実施している。この根拠になっているのが、地元当局が7月に発表した文章だ。漁を終えて港に戻る際は、漁業関係者と漁獲物の「同時検査」をするよう求めている。
アモイ市の対策には前例がある。温暖な気候から「中国のハワイ」として知られる海南省・海南島では新型コロナウイルスの感染が拡大し、滞在していた観光客が足止めされた。この海南島の感染拡大について現地の専門家が「海産物の交易によってウイルスが持ち込まれた可能性が高い」と分析していて、漁獲物へのPCR検査が行われていた。
中国メディアの第一財経は「海南島で漁業関係者が感染したことから、ウイルスとの接触を恐れているのではないか」とする関係者の談話を伝えている。
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一方、SNSの目線は冷ややかで「こんな馬鹿馬鹿しい対策は二度とお目にかかれない」「道端の蟻も検査した方がいい」などと揶揄する投稿が相次いでいる。複数の中国メディアも魚類が感染する可能性を否定した上で、検査の有効性に懐疑的な見方を示す専門家の談話を紹介している。